多発する特殊詐欺、滋賀県が総力戦で対策
滋賀県内で特殊詐欺が急増していることを受け、県、県警、県民などで構成される「『なくそう犯罪』滋賀安全なまちづくり実践県民会議」の緊急会議が25日、県警本部で開催された。会議では、詐欺電話の遮断を中心とした対策を県民全体で推進する方針が確認された。
この取り組みは「滋賀県トクリュウからみんなを守る県民運動」と命名され、県民一丸となった防犯活動を目指す。今年4月末までの統計では、県内で312件の詐欺被害が確認され、前年同期比で112件増加。被害総額は20億円を超え、特にSNSを利用した投資詐欺(73件)と警察官を装う手口(66件)が拡大している。
電話が犯行の入り口、国際電話遮断が有効
県警生活安全企画課の石居高広課長は会議で、被害に遭うきっかけの約8割が電話であり、そのうち7割が国際電話であると指摘。不要な国際電話の利用を控えることが被害防止に効果的だとし、固定電話の国際電話遮断手続きや、警察庁推奨のスマートフォン向けアプリのダウンロードを推奨した。
また、対面での指導が特に効果的であることから、「家族や友人にも対策を広げてほしい。県民一人ひとりが対策の主体となることが重要」と訴えた。県警は啓発資料として、ホームページに特設サイトを開設し、被害状況や実際の犯行録音データなどを提供している。
知事と警察本部長が決意表明
県民会議会長の三日月大造知事は「県民の平穏な生活を根底から揺るがしかねない事態であり、警戒レベルを上げて対策を進めたい」と述べた。副会長の池内久晃県警本部長は「詐欺の件数が対策を上回る勢いで増えており、一人でも多くの県民が連携し、トクリュウ(匿名・流動型犯罪)に負けない強い滋賀をつくる」と意気込みを示した。
滋賀大学と連携した調査研究会も発足
県警は同日、滋賀大学と協力し、詐欺被害防止のための調査研究会を立ち上げた。被害実態を地域や時間帯などに細分化して分析するとともに、効果的な対策や普及手法を検証する。同大データサイエンス・AIイノベーション研究推進センターの来嶋秀治センター長は「エビデンスに基づく実効性の高い政策立案に貢献し、将来的には全国の啓発活動に資する取り組みにしたい」と語った。



