福島県郡山市の磐越自動車道で発生したマイクロバス事故により、北越高校(新潟市)の生徒が死亡した。部活動の移動中に生徒が死傷する事故が繰り返される中、生徒の安全を守るために必要な対策とは何か。部活動の問題に詳しい名古屋大学大学院の内田良教授(教育社会学)に話を聞いた。
事故の背景と構造的問題
今回の事故は、部活動の遠征中に発生した。練習試合や大会のためにマイクロバスを利用する部活動は全国各地に存在し、どこでも同様の事故が起こり得る状況にある。内田教授は、部活動が「自主的な活動」と位置づけられている点を問題視する。学校活動や教育の一環でありながら、リスク管理が顧問教師ら現場任せのあいまいな状態にあることが、事故の背景にある構造的問題だと指摘する。
学校行事と部活動の違い
修学旅行や遠足などの学校行事では、学校が予算を確保し、プロのドライバーが運転する貸し切りバスを手配するのが一般的だ。一方、部活動は自主的な活動とみなされるため、安全対策が軽視されがちである。内田教授は、「部活動の移動手段や運転手の選定に、学校としての明確な基準が欠けている」と述べ、現場任せの体制がリスクを見過ごす原因になっていると警告する。
繰り返される事故の教訓
過去にも部活動中のバス事故は発生しており、そのたびに安全対策の強化が叫ばれてきた。しかし、根本的な解決には至っていない。内田教授は、「学校側が部活動を教育活動の一部と明確に位置づけ、予算や人員を適切に配分する必要がある」と強調する。また、運転手の資格や健康管理、車両の点検など、具体的な安全基準を策定し、それを徹底することが急務だと指摘する。
今後の課題
今回の事故を受けて、北越高校は会見を開き、過去の請求書に「レンタカー代」の記載があったことを明らかにした。さらに、事故を起こしたバスは高校名義でレンタカー契約が結ばれており、運行会社を通じて過去にも同様の契約があったことが判明している。内田教授は、「学校がレンタカーを利用する場合でも、運行会社の安全管理体制を確認する責任がある」と述べ、学校全体としてのガバナンス強化を求める。
部活動の安全を守るためには、現場任せのあいまいな体制を改め、学校が主体的にリスク管理を行うことが不可欠である。内田教授の指摘は、教育現場における安全文化の欠如を浮き彫りにしており、早急な対策が求められる。



