現場から放火や銃撃に遭った組長の邸宅が競売に 落札者や地元住民は何を思う
2026年5月3日 17時00分
神戸市北区にある指定暴力団・神戸山口組の井上邦雄組長の自宅が、傘下組員の金銭トラブルで差し押さえられ、強制競売で群馬県の会社が約8千万円で落札した。5月22日までに代金が納付されれば、組長は所有権を失う。地域に不安を及ぼしてきた邸宅の行く末は――。
「鈴蘭台」と呼ばれる邸宅
神戸市中心部から車で国道428号を北へ約15分。山あいの閑静な住宅街に組長宅はある。登記簿によると、2千平方メートル超の土地に、築45年前後の延べ約250平方メートルの2階建て和風家屋が2棟。組長が所有権を得たのは2006年だ。敷地を囲む石垣の上には柵やフェンスが設けられ、複数の監視カメラが往来を向く。
この邸宅を、兵庫県警の暴力団担当の捜査関係者らは、地名から「鈴蘭台」とも呼ぶ。現在、本部事務所(兵庫県稲美町)は組員の立ち入りが禁じられており、県警は組長の居住実態があるとみて、人の出入りや動向を注視してきた。
近隣住民の不安
近所の50代女性は「以前はジャージー姿の組員らしき人をよく見かけた。直接危険を感じたことはないが、毎日通勤で近くを通るので、事件のたびに不安になった」と話す。25年1月、敷地内で車2台が放火された。22年6月には、金属製の門扉に銃弾17発が撃ち込まれた。地元の60代男性は「当時は騒然とした。組長宅の前は小学生も通るので、地域のみんなが心配していた」と振り返る。
競売に至る経緯
そんな「組織への攻撃の標的になる建物」(捜査関係者)が25年1月、土地とともに神戸地裁に差し押さえられた。きっかけは、傘下組織の組員が東京都のコンサルティング会社の代表者との間に起こした金銭トラブルだった。会社側が損害賠償を求めた裁判で、組長の自宅が差し押さえの対象となった。
競売は今年3月に実施され、群馬県の不動産関連会社が約8千万円で落札した。同社の担当者は「具体的な活用方法は未定だが、地域の安全に配慮したい」とコメントしている。一方、地元住民からは「新しい所有者が適切に管理してくれることを願う」との声が聞かれる。
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