稲沢市民病院、赤字続きで黒字化へ検討委発足
経営難に陥っている愛知県稲沢市民病院の課題や今後の運営方法を議論する「市民病院のあり方検討委員会」の初会合が27日、市役所で開かれた。市が病院の現状や経営状況を説明し、学識経験者や医師会長ら6人の委員から経営の黒字化に向けた意見が聞かれた。
2024年度は純損失約13.8億円
市民病院の2024年度決算では純損失が約13億8000万円に達し、市の一般会計からの繰り入れも年々増加している。加藤錠司郎市長は「非常に厳しい状況だ。地域医療を守りつつ、市の一般会計からどこまで繰り入れが許されるのかを検討いただきたい」とあいさつし、愛知医科大名誉教授の野口宏氏を委員長に任命し、諮問書を手渡した。
医業収支比率は71.6%と低水準
市の報告によると、医業収支比率は71.6%で、他の病院と比べて低い。医業損益は2年連続で20億円を超える赤字が見込まれ、資金残高は2023~2025年度にかけて8割減少し、事業継続が危ぶまれる状況だ。主な要因は人件費の増加とされている。
委員からは経営改善への提言
委員からは「労働生産性の低さを見直す必要がある」「経営強化プランの達成状況はどうか」といった意見や質問が相次いだ。また、市内から同じ尾張西部医療圏の一宮市の病院へ患者が流出しているとの報告もあり、「競合医療機関の強みを分析すべきだ」との提言もあった。
市民の関心も高く、傍聴者40人以上
傍聴には40人以上が訪れ、市内の78歳男性は「通っていた民間病院が閉院して困っている。市民病院にお世話になるので関心がある」と語った。次回は6月1日に開催され、今秋まで月1回程度のペースで開かれ、市に答申する予定だ。



