2015年に発覚した東芝の不正会計問題を巡り、有価証券報告書の虚偽記載によって株価が下落し損失を被ったとして、海外の機関投資家14社が総額約217億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が23日、東京地裁で言い渡された。和久一彦裁判長は、このうち1社に対して約1785万円の支払いを東芝に命じる一方、残る13社の請求は棄却した。
判決のポイント
判決によれば、請求が退けられた13社は、投資家に代わって株式を管理する金融機関などの第三者名義で東芝株を保有していた。これに対し、賠償が認められた1社は自己名義で株式を取得していた。
和久裁判長は、虚偽記載によって生じた損害の賠償を請求できるのは「口座の名義人に限られる」と指摘。原告ら以外にも利害関係者が存在する可能性があるなどの事情を考慮し、東芝は非名義人に対する賠償責任を負わないとの判断を示した。
訴訟の背景
東芝は2015年、過去数年にわたる不正会計が明るみに出て、株価が急落。国内外の投資家から損害賠償を求める訴訟が相次いで提起された。今回の判決は、こうした一連の訴訟の一つであり、機関投資家による集団的な請求の一部が認められた点で注目される。
東芝は一連の不正会計問題で、過去の決算を訂正するなど経営への打撃は大きく、その後、半導体事業の売却や組織再編を余儀なくされた。今回の判決は、上場企業の情報開示の重要性を改めて問いかけるものとなっている。



