北海道江別市の公園で2024年10月、大学生の長谷知哉さん(当時20)が集団で暴行され死亡した事件で、強盗致死などの罪で起訴された男女6人のうち、川村葉音(はおと)被告(21)の裁判員裁判の論告求刑公判が5日、札幌地裁(高杉昌希裁判長)であった。検察側は「情状に酌量の余地はない」と述べ、無期懲役を求刑。弁護側は「犯行に計画性がなく、暴行は偶発的」などと主張した。判決は25日の予定。
5月25日に始まった川村被告と、当時少年だった2人の公判は、3日から分離され、5日は川村被告について遺族の意見陳述や論告、弁論などがあった。
遺族の悲痛な訴え
「なぜうちの息子がこんなことになったのか、今でも分からない」――遺族の意見陳述では、長谷さんの両親の心情が代理人弁護士により読み上げられた。長時間にわたり繰り返された執拗な暴行について「何度も謝罪し、止めてくださいと言ったが、命まで奪われた」とし、「息子の痛み、苦しみ、恐怖を思うとつらい」と訴えた。
法廷に立った被害者の姉は「たった一人のかわいい、大切な弟を返してほしい」などと涙ながらに訴えた。
検察側の主張
検察側は論告で、長谷さんと交際していた八木原亜麻(あま)被告(21)=強盗致死罪などで起訴=と友人関係にあった川村被告について「犯行における役割は重要で経緯や動機に酌量の余地はない」と指摘。「遺族の処罰感情は極めて厳しく、最大限の配慮が必要」と主張した。
弁護側の反論
弁護側は弁論で、最初から強盗の目的があったわけではなく、「計画的な強盗とは全く異なる」と主張。当初は話し合いの予定であり、暴行は偶発的だったと説明した。積極的に加害や利得を目的としたわけではないとして、川村被告には懲役13年の有期刑が相当とした。
最後に、川村被告は遺族らに「本当に申し訳ございませんでした」と謝罪した。
事件の現場となったのは江別市文京台南町の公園で、2024年11月1日には遊歩道の様子が撮影されている。長谷さんは大学生で、集団暴行により命を落とした。被告らは強盗致死などの罪で起訴され、現在も審理が続いている。
遺族の処罰感情は極めて厳しく、検察側は無期懲役が妥当と判断した。一方、弁護側は計画性の欠如を強調し、有期刑を主張している。今後の判決が注目される。



