東京都内のマンション群。大規模修繕工事の市場は拡大している(記事の内容とは関係ありません)=2026年1月24日
マンション大規模修繕工事を巡り、大がかりで広範囲な談合が公正取引委員会の調査で判明した。不当につり上げられた工事費は、住民が負担する修繕積立金でまかなわれてきた。住民を欺く談合。公取委に談合を認定される見通しの業者が、実態を明かした。
取材に応じたのは、首都圏に本社を置く工事業者の幹部の男性。入社した約25年前の時点で、業界に談合は当然のようにあったと言う。「営業活動の延長にあるもの。全然悪いとは思っていなかった」
修繕工事は、マンションの業界紙で業者が募集されることが多い。だが、男性は「新聞に載った工事の9割はすでに受注業者が決まっている」と明かす。
工事を受注するには、いち早く情報を得るための「営業」が欠かせない。「営業」の最初の標的は、マンションの管理を担う「管理会社」だ。工事を発注する住民らの「管理組合」と日頃接しているからだ。ゴルフコンペに招待するなどの接待を重ね、今後発注されそうな工事の概要や、住民に助言する設計コンサルタントにどの業者が就くかを聞き出す。
設計コンサルは、専門家の立場から建物を診断し、工事内容を決め、進捗管理までを担うのが一般的だ。工事業者の選定の際に、住民らにアドバイスをすることも多く、業者の選定まで含めて住民側から委託されることもある。工事を請け負いたい業者にとっては、最も重要なターゲットだ。
男性の会社は、本来ならコンサルタントが中立に行うべき業者選定に介入し、「お手伝い」と称して受注を内々に決めていたという。公取委はこうした一連の行為を談合とみなす見通しだ。
談合が認定される見通しの業者の一覧は、記事後半に掲載している。



