刑事裁判のやり直しを規定する再審制度の見直しに向けた刑事訴訟法改正案をめぐり、自民党と参政党は11日、政府法案の修正で合意した。参政党の神谷宗幣代表(参院議員)が記者団に対し、修正を前提に政府法案に賛成することを表明した。
これを受け、今国会で政府法案が成立する公算が極めて大きくなった。戦後初となる再審制度の抜本的な見直しが実現する見通しとなった。
与党、参院採決見据え国民民主に働きかけも不十分と判断
政府・与党は当初、少数与党となる参院での採決をにらみ、国民民主党に修正案への賛成を働きかけてきた。しかし、国民民主党内では政府・与党の修正案では「不十分」との声が根強く、合意に至らなかった。このため自民党は同日、参政党と修正案について協議を重ね、最終的に合意にこぎつけた。
衆院法務委、12日に採決へ
一方、衆院法務委員会の理事懇談会はこの日、12日に委員会を開き、採決を行うことを委員長の職権で決定した。中道改革連合などは審議が尽くされていないとして、12日の採決に反対していた。政府法案は修正を加えた上で、16日の衆院本会議で可決され、衆院を通過する見通しだ。
修正案の内容:証拠一覧表と目的外使用禁止を検討対象に
政府法案の付則には、改正法の施行後5年ごとに見直しを検討する規定が盛り込まれている。修正案によると、その検討対象として、検察官が保管する「証拠一覧表」に関する制度と、開示証拠の「目的外使用」の禁止に関する制度が明示された。
もともと見直し規定の対象は改正法案の内容であり、法務省は「目的外使用の禁止規定は見直し対象に含まれる」(幹部)との立場だった。一方で、証拠一覧表に関する制度は改正法案に盛り込まれていない。
野党側は、裁判所や弁護側が検察の手元にある証拠を把握する上で、証拠一覧表の開示が不可欠だと訴えてきた。今回の修正により、改正法施行後の見直しの際に証拠一覧表の開示の是非が議論されることになりそうだ。
現在の運用を明文化
修正案ではさらに、裁判所が証拠の提出や開示を勧告し、検察が任意で応じるという現在の運用について「事案に応じ、適切に行うものとする」と記した。法務省は国会審議で「従来の実務運用は否定されない」と答弁しており、それを明文化した格好だ。
いずれも刑訴法の本体である法案の本則ではなく付則に盛り込んでいる。



