広陵高校(広島市安佐南区)は11日、部員間の暴行事案を巡り、昨夏の全国高校野球選手権大会を途中辞退した際に硬式野球部の監督を務めていた中井哲之氏が、学校法人の理事を辞任したことを明らかにした。この暴行事案については、第三者委員会の調査報告書が「集団暴力」によるいじめの存在を認定し、中井氏の不適切な発言も認めていた。
中井氏の辞任経緯
高校の発表によると、中井氏の理事辞任は8日の理事会で正式に決定した。本人からの申し出があり、理事会がこれを了承したという。中井氏は選手権大会を途中辞退した後の昨年8月に監督を退任し、副校長から参与に降格していたが、今回の辞任により参与も退くことになる。これにより、野球部だけでなく学校運営からも完全に退く形となった。
第三者委の調査結果
5月28日に公表された第三者委員会の調査報告書は、中井氏が被害生徒に対して、高校野球連盟に暴行事案を報告すればチームに不利益が生じるといった趣旨の発言をしたと認定。この発言が、被害生徒の転校を決断する決定的な契機になったと指摘した。また、再発防止策として中井氏の部活動への関与を排除するよう提言していた。
中井氏の経歴
中井氏は1990年に広陵高校硬式野球部の監督に就任し、春と夏の甲子園大会に通算25回出場するなど、同校の野球部を全国レベルの強豪へと育て上げた。しかし、今回の暴行事案とその後の調査結果を受け、指導者としての立場を失うことになった。
広陵高校は、この事態を重く受け止め、今後の再発防止策を徹底するとしている。学校側は「被害生徒とその家族への対応を最優先にし、全生徒が安心して学べる環境づくりに努める」とコメントしている。



