刑事裁判の再審制度見直しに向けた刑事訴訟法改正案をめぐり、政府・与党は2026年6月10日、政府原案を修正する方向で検討に入った。少数与党の状況にある参院での採決を見据え、国民民主党の賛成を得るには修正が不可避と判断した。複数の政府・与党と野党関係者が明らかにした。
修正の焦点は証拠開示ルール
修正を検討しているのは、国民民主党と中道改革連合の担当者らが政府・与党に求めていた証拠開示ルールだ。政府法案の付則には、改正法施行後5年ごとに見直しを検討する規定が盛り込まれている。その検討対象の例として「検察官が保管する証拠一覧表に関する制度」を明示する方針。
さらに、裁判所が証拠の提出や開示を勧告し、検察が任意で応じる現在の実務運用について、引き続き適切に行うことを明記する案を調整している。法務省は国会審議で「従来の実務運用は否定されない」と答弁しており、それを明文化する形だ。いずれも刑訴法本体の本則ではなく付則に盛り込む。
厳しい国会情勢が背景
政府・与党が、自民党の事前審査から数えると4回目となる修正を検討する背景には、厳しい国会情勢がある。自民党と日本維新の会の与党体制下で、参院では与党が過半数に届かず、国民民主党の協力が不可欠となっている。
国民民主党は従来から証拠開示の拡充を求めており、政府案では不十分と主張。修正案が受け入れられなければ、参院での採決で反対に回る可能性もある。政府・与党は国民民主党の態度を見極めた上で、最終判断する方針だ。
今後の展望
修正案は来週にも与党党内手続きを経て、国会に提出される見通し。成立すれば、再審制度の迅速化や証拠開示の透明性向上が期待される一方、検察側の負担増や証拠隠しの懸念も指摘されている。今後の国会審議が注目される。



