小樽市銭函の国道5号で2024年9月、乗用車2台が正面衝突し、大学院生が死亡した事故で、自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死)に問われた七飯町の無職、大沢亮汰被告(34)の初公判が10日、札幌地裁小樽支部(藪田貴史裁判官)であり、大沢被告は起訴事実を認めた。
起訴内容と経緯
起訴状によれば、大沢被告は2024年9月22日午前6時40分頃、飲酒によって正常な運転が困難な状態で車を運転し、札幌市中央区を出発。同日午前7時20分頃、小樽市銭函3の国道5号を時速80~88キロで走行中、対向車線にはみ出し、札幌市中央区の大学院生、田中友規さん(当時24歳)の車と衝突。田中さんを死亡させたとされる。
検察側の主張
検察側は冒頭陳述などで、大沢被告が運転前に11時間超にわたって飲酒していたことや、衝突時の状況を詳細に説明した。大沢被告は事故前日(同21日)午後5時40分頃、札幌市内で開催されていたグルメイベント「さっぽろオータムフェスト」で友人と飲酒。その後、居酒屋やスナックなど複数の飲食店をはしごし、車に戻ったのは翌日午前6時頃だった。飲酒量は少なくとも19杯に上ったという。
危険な運転状況
大沢被告の車は事故の7分前から蛇行したり、隣の車線に割り込んだりしていた。法廷では、田中さんの車などのドライブレコーダー映像が再生され、衝突の瞬間、田中さんの車のフロントガラスが大きな衝撃音とともに割れ、車が跳ねるように横転する様子が映し出された。
被告の供述
事故当時、大沢被告はかなり酒に酔っており、呼気検査では基準値を超える1リットル当たり0・5ミリ・グラムのアルコール分が検出された。大沢被告は事故に気付いたのは衝突後で、居眠りをして事故を起こしたと思ったという。被告人質問の冒頭では「無責任な飲酒運転で被害者を死亡させた。被害者、遺族に大変申し訳ない気持ちです」と述べ、遺族に約10秒間頭を下げた。
運転の理由
大沢被告は事故当日、小樽市での親族との待ち合わせに向かうため車を運転していた。仮眠を取らずに運転した理由について、被告は「酒が残っているのはわかっていたが、大丈夫だと思った。小樽に早く行ってから休もうと思った」と述べ、事故前にも函館市内で飲酒運転をしたことがあると明かした。
遺族の質問
被害者参加制度を利用し、田中さんの両親が大沢被告に直接質問した。田中さんの父親が「希望に満ちあふれた息子の未来は奪われた。今の心情は」と問うと、大沢被告は「自分のせいで傷つけてしまった」と声を詰まらせながら答えた。母親から田中さんが亡くなったと知った時の気持ちを問われると、「私よりも若い方で、強い罪悪感と後悔が今もある」と話した。



