視点・解説「立法府の総意」で皇族数確保へ一歩 当事者に寄り添う議論を
2026年6月10日 20時43分 有料記事 編集委員・島康彦
春の園遊会に出席した天皇、皇后両陛下と皇族方=2025年4月22日、東京・元赤坂
皇族数の確保に向けた「立法府の総意」が示され、今国会での皇室典範改正の道筋が開かれた。だが、女性皇族の結婚後の身分保持、養子の受け入れともに、細部の検討は先送りされた。当事者の女性皇族をはじめとする皇室の方々、それを支える宮内庁側には安堵感よりも、積み残された課題や懸案を不安視する向きがあるようだ。
皇族数確保へ「立法府の総意」まとまる
「男系男子の養子」策など
2006年9月、41年ぶりの皇位継承権のある男性皇族として、秋篠宮家に長男悠仁さまが誕生し、「これで皇室は当面安泰だ」との雰囲気が広がった。ただ、当時の宮内庁幹部は取材に「手放しで喜ぶわけにはいかない」と硬い表情を崩さず、「皇室の先行きへの陛下(現・上皇さま)の懸念は変わらない」と明かした。
実際、悠仁さま誕生時に23歳だった現在の天皇陛下も含め、皇族数の減少は長年の課題である。女性皇族が結婚で皇室を離れると、皇族数はさらに減少する。今回の「立法府の総意」は、女性皇族が結婚後も皇室に残る道を開くとともに、男系男子の養子を受け入れることで皇位継承の安定を図る内容だ。しかし、具体的な制度設計は今後の検討課題として残された。
宮内庁関係者は「総意が示されたことは一歩前進だが、当事者の意向がどこまで反映されるかが重要だ」と語る。女性皇族の結婚後の処遇や養子の受け入れ基準など、細部の詰めは難航が予想される。皇室の方々が不安なく新制度を受け入れられるよう、丁寧な議論が求められる。



