勤務先の社長に対する暴行への加担と金品強奪の罪に問われている被告の差し戻し審初公判が、2026年6月10日に仙台地裁(榊原敬裁判長)で開かれた。被告は罪状認否で黙秘し、弁護側は現場にいたものの犯行への関与を否定し、無罪を主張した。
事件の経緯と差し戻しの理由
起訴されているのは、パキスタン国籍で建設会社元従業員のレフマン・アブダル被告(43)。被告を巡っては、仙台高裁が「取り調べに限度を超えた意訳があった」と認定し、懲役23年とした地裁判決を破棄。審理を地裁に差し戻していた。弁護側はこの日、被告が黙秘した理由について「これまでの裁判で正確に供述が通訳されなかったから」と述べた。
起訴内容の詳細
起訴状などによると、被告は複数人と共謀し、2020年7月25~26日、宮城県柴田町の社長宅で、ビジネスバッグなど54点(合計約28万8500円相当)を奪い、テレビドアホンモニターを壊したとされる。この際、共謀者がインド国籍の社長シン・ラカウェンダラさん(当時45)の首を絞めて死亡させたとされる。
検察と弁護の主張
検察側は冒頭陳述で、被告は被害者のおいから被害者の殺害とバッグ強奪を依頼され、殺害は承諾しなかった一方、報酬欲しさにバッグの強奪を承諾し、モニターを外して壊したと指摘。「バッグを力ずくで奪う可能性を想定し、モニターを外したのは証拠隠滅のためで、共謀者と意思が通じ合っていた」とした。
弁護側は、被告は殺害の依頼を断った後、話し合いで解決するために社長宅に行ったと説明。被害者の首を絞め、金品を奪う共謀者を止めようとしたが、止められなかったと訴えた。事件後に被害者のおいから報酬を受け取ったことは認めた。
初公判の延期と今後の見通し
初公判は当初、6月8日の予定だったが、被告が発熱したため、地裁が8、9の両日の期日を取り消していた。今後の審理では、通訳の問題や被告の関与の程度が争点となる見通しだ。



