全国に約17万3千本設置されている郵便ポスト。そのポストから郵便物を回収する「取集業務」をめぐり、日本郵便東京支社の元主任の男(37)が業者から利益提供を受けたとして、日本郵便株式会社法違反(加重収賄など)の疑いで警視庁に逮捕された。事件は、東京ディズニーリゾートのVIPツアー、ホテルの宿泊、食事代など、多岐にわたる接待が発覚したもので、業者との関係が深まる中で「来年もよろしく」といった言葉が交わされていたという。
接待の実態と前任者の関与
捜査2課によると、接待は遅くとも元主任の前任者の時代から続いていた可能性がある。高級なお歳暮の贈答やソープランドの接待なども繰り返され、業者との関係が深まっていったとみられる。元主任は、取集業務の入札手続きで予定価格に関する非公表情報を運送会社「ハルキエクスプレス」(東京)の役員らに伝えるなどして便宜を図り、賄賂を受け取った容疑で1回目の逮捕。さらに、別エリアの入札手続きでも、運送会社「トラスト」(大阪)に同様に便宜を図った見返りとして、スイス製の高級腕時計1個(販売価格約120万円相当)を受け取った疑いで再逮捕された。
業者との癒着構造
元主任は、入札情報を漏洩することで業者に有利な条件を提供し、その見返りとして高額な接待や物品を受け取っていた。警視庁は、こうした癒着構造が長期間にわたって続いていたとみて、詳しい実態解明を進めている。業者側も、便宜を受けるために積極的に接待を繰り返していた可能性があり、双方の関与が問われる。
この事件は、郵便事業の公共性に大きな疑念を投げかけるものだ。日本郵便は、社内調査を進めるとともに、再発防止策を急ぐ方針。しかし、業者との関係が深まる中で、なぜ内部のチェック機能が働かなかったのか、その責任が問われている。



