愛知県弥富市で2024年に発生したアパート放火殺人事件で、殺人と現住建造物等放火などの罪に問われた同市の佐藤忍被告(64)の裁判員裁判初公判が8日、名古屋地裁(大村陽一裁判長)で開かれた。被告は起訴内容を認めたが、弁護側は「放火の故意も殺意もなかった」として無罪を主張した。
検察と弁護の主張が対立
検察側は冒頭陳述で、被告が死亡した住民女性に金を返してもらえなかったことに腹を立て、アパート通路にあった衣類に殺意を持って火を付けたと指摘。下見をするなど一定の計画性があるとして「完全責任能力があった」と主張した。
一方、弁護側は、被告は女性への仕返しでアパート通路のごみを燃やそうと考えたが、中度知的障害のためアパートが燃えることや人が死ぬことまで想像できなかったとして「犯行時は心神耗弱状態だった」と反論した。
事件の概要
起訴状によると、被告は2024年1月3日、木造2階建てアパートの敷地内でライターで火を放ち、一酸化炭素中毒などで3人を死亡させ、1人に軽傷を負わせたとされる。
今後の裁判では、被告の責任能力の有無が最大の争点となる見通しだ。



