美術家や映画監督らで構成される「表現の現場調査団」は4日、東京都内で記者会見を開き、創作現場におけるハラスメント被害の実態調査結果を公表した。調査は昨年8月から今年3月にかけて、美術、音楽、映画などの分野でハラスメント被害に遭った男女11人に対しインタビュー形式で実施された。
深刻な被害の実態
調査では、さまざまなハラスメント事例が報告された。伝統芸能の元裏方からは「役者が裏方の体を触るハラスメントがあった」という証言が寄せられた。また、アニメ制作会社の元社員は「胸ぐらをつかまれて引き倒される暴行を受けた」と述べ、深刻な身体的暴力が行われていた実態が明らかになった。
被害自覚の遅れ
調査の過程で、被害者自身がハラスメントの原因を「自分の能力不足」と捉え、被害を自覚するまでに時間がかかる傾向があることも判明した。多くの被害者が「自分が悪いのだ」と感じ、周囲に相談できずに苦しんでいる実態が浮き彫りとなった。
調査団の見解
調査団メンバーでアーティストのホンマエリさんは「ディテールを理解することで、ハラスメントが起きる構造が理解できる。業界の体質改善につながることを願っている」と述べ、具体的な事例の把握が業界全体の意識改革に不可欠だと強調した。
調査団の活動
表現の現場調査団は令和2年に設立され、創作現場のハラスメント問題に取り組んできた。今回の調査が最後の活動となる。調査結果は、今後の業界改革の基礎資料として活用されることが期待される。



