善福寺公園の池の水位低下、原因は外来スイレンの抜根作業 温暖化で繁殖加速
善福寺公園の池の水位低下 外来スイレン抜根が原因

東京都杉並区の善福寺公園で、池の水位が突然低下した現象について、読者から本紙「ニュースあなた発」に「外環道工事の影響では」との通報が寄せられた。しかし、取材の結果、原因は温暖化により繁殖が加速した外来種スイレンの抜根作業であることが判明。人と自然の共生の難しさが浮き彫りとなった。

読者の不安と外環道工事への懸念

70代の女性読者は毎朝公園を散歩しており、異変に気付いたのは4月下旬。普段水面に隠れている杭が見え、池の底が露出していることに驚いたという。女性は「自然豊かな公園が干上がったら大変」と不安を訴えた。近くでは東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事が進んでおり、シールドマシンが池の東側を掘進中だったことから、工事が地下水位に影響を与えたのではないかと疑った。

東日本高速道路関東支社に問い合わせたところ、「公園周辺の地下水位をモニタリングしているが、掘進に起因する変動は確認されていない」との回答。一方、公園を管理する善福寺公園サービスセンターに確認すると、意外な事実が明らかになった。

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原因は外来スイレンの抜根作業

センターの担当者によると、池の水位低下は人為的なものだった。下の池に繁茂するスイレンの根を除去するため、せきを抜いて一時的に水位を約20センチ下げていたのだ。スイレンは毎年5月ごろから白やピンクの花を咲かせ、訪れる人々の目を楽しませているが、近年は温暖化の影響で成長が早まり、池の景観を損ねるほど増えすぎていた。

このスイレンは実は外来種で、国から「重点対策外来種」に指定されている。繁殖力が強く、在来種の生態系や水質に悪影響を及ぼす可能性がある。センターは3~4年に一度、抜根作業を行っているが、温暖化によりその頻度が増しているという。

景観と生態系保全のジレンマ

福島大学の黒沢高秀教授(生態学)は「園芸スイレンを植えることは法律で禁止されておらず、公園に植えても問題ではないが、生物多様性の観点からは好ましくない」と指摘する。善福寺公園では、スイレンが多くの来園者に親しまれている一方で、池にはマツモなどの貴重な在来種も生息しており、管理者は「鑑賞と環境保全の兼ね合いが難しい」と悩む。

今回の件は、気候変動が身近な自然環境に与える影響と、人間の美的欲求と生態系保護のバランスを考えさせる事例となった。読者から寄せられた「心配」の声は、結果的に公園管理の努力を知るきっかけとなった。

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