自民・藤丸敏元副大臣側に「みんなで大家さん」から4000万円超、業務委託料として議員事務所関係者法人へ
藤丸敏元副大臣側に4000万円超 業務委託料か みんなで大家さん

不動産投資商品「みんなで大家さん」を巡る新たな疑惑が浮上した。配当遅延で約2500人の投資家から集団提訴を受けている同事業で、自民党の藤丸敏元内閣府副大臣(衆院福岡7区)の事務所関係者が代表を務める法人が、事業者側から業務委託料として4000万円超の支払いを受けていたことが、関係者への取材で明らかになった。藤丸氏自身も政治資金パーティーのパーティー券を購入してもらっていたという。投資家から約2000億円を集めたとされる事業者側に、国会議員も関与していた実態が浮き彫りになった。

秘書の肩書で幹部会議に出席

事業を手がけるのは「共生バンク」。主力商品は成田空港(千葉県成田市)周辺の大規模開発に関連した「成田商品」と呼ばれる投資商品だ。国土交通省と金融庁所管の不動産特定共同事業法(不特法)に基づいており、国会では法の不備や対応の遅れを指摘する声が上がっている。

関係者によると、開発を手がける共生バンクのグループ会社「都市綜研インベストバンク」(東京都千代田区)が、藤丸議員事務所に所属していた男性が代表を務める不動産仲介会社(福岡県大牟田市)へ毎月約百万円を支払っていた。支払いは成田での開発が動き出した2019年4月ごろから2023年までの約4年間続いたという。

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男性は当時、藤丸氏の秘書の肩書で、週1度の共生側の幹部会議に出席。同社の方針を藤丸氏に伝えたり、事業に携わったりしていた。共生側の幹部と国交省職員との打ち合わせも調整していたとされる。

藤丸議員「私は一銭ももらっていない」

藤丸氏は東京新聞の取材に、男性は古くからの知り合いで、成田開発への協力を頼まれ、共生側を紹介されたと説明。藤丸氏は飲食店や議員会館で計4、5回共生側と会ったという。男性については「秘書ではなく私設事務員。手が空いたときに手伝ってもらうため、秘書を名乗らせていた」と話した。

成田開発について藤丸氏は「構想を聞いていい話だと思い、応援した」と述べた。しかし、課題の指摘などを繰り返したところ、共生側との関係が悪化したといい、男性の法人への支払いについては「(応援するのを)やめたときに知った。私は一銭ももらっていない」と強調した。

一方、共生側は、藤丸氏の政治資金パーティーのパーティー券を複数回にわたって購入していたという。

共生バンク「存否を含めて言えない」

東京新聞は男性に書面で事実関係を質問したが、藤丸氏は男性が闘病中で返答が難しいと説明し、回答は得られなかった。共生バンクは「すべての契約に守秘義務があり、存否を含めて言えない」と回答した。

藤丸氏は、古賀誠・元自民党幹事長の秘書を長年務めた後、後継指名を受けて2012年に初当選し、現在6期目。成田開発を巡っては、成田の2市議の関連会社が、土地の紹介や警備員の派遣契約などで、それぞれ数千万円の支払いを受けたとみられることも判明している。

「みんなで大家さん(成田商品)」とは

成田空港近くの東京ドーム約10個分(約45万平方メートル)の敷地に複合商業施設やホテルなどを計画する大規模開発に関連した投資商品。工期は4度にわたって延長され、昨年11月には土地の一部を貸し付けていた成田国際空港会社が、事業者側の資金力を問題視し、契約を打ち切った。

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議員自身も別商品で国交省に後押しか

この問題に加え、藤丸議員自身が共生側の別の商品の認可を巡り、国土交通省に後押しする趣旨の発言をしていたことも明らかになった。共生側は2021年7月、書面契約の成田商品とは別に、インターネット上で契約が完結する「電子取引」(不動産クラウドファンディング)の認可を大阪府に申請。電子取引は1口1万円など少額の出資者が対象の商品だが、関係者は「1口100万円の成田商品に出資者を誘導するためのツールだった」と話す。

別の関係者は「藤丸先生は国交省の職員を議員会館などに呼び出し、(認可を)出すように働きかけていた」と証言する。2022年5月の認可直後、共生側から男性の法人への支払いは毎月10万円が上乗せされ、110万円になったという。

藤丸議員は東京新聞の取材に、電子取引について「(認可が)なかなか出なかった。『よく指導をしてやってくれ』と(国交省に)言ったが、出せとは言ってない。出たことも知らなかった」と強調した。

藤丸議員によると、共生側には、政治資金パーティーのパーティー券を複数年にわたって、1回あたり2~10枚購入してもらっていたという。藤丸議員は「(内閣府副大臣時代の)役職の時は規定に触れるので、お願いしていない」と回答した。

許可権者の大阪府は、不特法による指導監督や行政処分の基準が明確ではないため、国交省に判断を仰いでいたとみられる。大阪府の担当職員は取材に「要件が整っていれば認可せざるを得ない。国とは情報共有しながら進めた」と答えた。

認可の2カ月前には、大阪府が成田商品の契約前の書面を巡り、投資家への説明が不十分として「法令違反」の疑いを指摘し、行政指導していたことも東京新聞の取材で判明。ただ、成田商品と電子取引は別件だったため、電子取引の認可判断に影響はなかった。

金子恭之国交相は昨年11月11日の衆院予算委員会で、不特法の不備や対応遅れの背景に、国会議員からの圧力があったのではないかとの質問に対し、「そのようなことはなかったと認識している」と答弁した。

共生バンクは東京新聞の取材に「藤丸議員は不特法の知見を持っており、一般的な諸問題について、ご指導を頂戴した。議員に協力を依頼したことはない」とコメントした。