大学の研究者のうち、身分が安定した無期雇用の職に就く30代以下の若手の数が、政府が状況を把握し始めた2017年の2万4人から2025年には1万6692人へと、2割近く減少したことが5日、分かった。年長世代も含めた無期雇用全体に占める割合は14.9%から12.5%へと低下した。総務省の科学技術研究調査を共同通信がまとめた。
若手研究者の減少傾向
文部科学省が3年ごとに実施する学校教員統計調査では、25~39歳の大学教員は2013年度から2022年度にかけて8%減少。若手全体の減少を超えるペースで安定雇用が減った可能性がある。政府は研究活動が最も活発な若手の増加を目指し、大学での安定雇用の拡大を図ってきたが、人件費の確保が難しく、効果が上がっていない。
研究力低下の懸念
主力となる層がやせ細り、日本の研究力低下が加速する恐れもある。科学技術研究調査によると、無期雇用の大学教授や准教授、研究員らの人数はこの8年間、約13万4千人でほぼ横ばい状態。30代以下の割合は2025年時点で国立大学が11.9%、公立大学10.6%、私立大学13.0%で、いずれも2017年から低下した。
この状況は、若手研究者のキャリア不安を増大させ、優秀な人材の流出や研究意欲の低下を招く可能性がある。政府は安定雇用拡大に向けた新たな対策を検討する必要に迫られている。



