70年ぶりの警察署統合が決定 原宿と代々木の一体化へ
警視庁は、渋谷区内の原宿署と代々木署を統合する方針を固めました。都内における警察署の統合は、1960年以来実に70年ぶりの出来事となります。これにより、現在102署ある警視庁管内の警察署は101署に減少します。
統合の背景にある老朽化と不動産市場の活況
統合の直接的な要因は、代々木署庁舎の深刻な老朽化にあります。1973年に建設された代々木署は地上5階・地下1階建てですが、柱にひびが入り、非常階段が使用できない状態が続いています。さらに、地域住民の増加に伴い署員数が増え、災害用資器材の収納スペースも不足していました。
警視庁は2012年頃から代々木署の代替地を管内で探し、購入交渉を続けてきました。しかし、希望する広さの候補地が少ない上に、活況を呈する不動産市場の影響で、見つかった土地も民間企業に先を越されるケースが相次いだのです。
統合後の体制と新名称の行方
統合後は、既存の原宿署庁舎を本庁舎として使用し、代々木署跡地には分庁舎を建設する計画です。分庁舎には行政サービスの窓口や、通報対応で現場に急行する本部部隊の拠点を設置します。運用開始は2034年頃を見込んでいます。
警察署の名称については、住民アンケートを実施して決定する可能性が高いとされています。警視庁関係者は「原宿代々木警察署」のように、両署の名称を生かした案が多く提案されると予想しています。
統合による効果と地域警備の強化
この統合により、管理部門の人員を削減し、その分を街中に配置する警察官の増員に充てることが可能になります。これによって地域の見守り体制が強化され、犯罪抑止効果が高まることが期待されています。
さらに、両署がそれぞれ一部を管轄する明治神宮と代々木公園の周辺地域について、イベント時の雑踏警備指揮を一本化できるメリットもあります。これにより、大規模イベント時の警備体制がより効率的になる見込みです。
2009年に建設された原宿署庁舎は比較的新しく、築50年を超えた代々木署庁舎とは対照的です。この統合は、限られた予算と人員を効果的に配分し、変化する地域社会の治安ニーズに対応するための戦略的な判断と言えるでしょう。



