新名神6人死亡事故初公判、TikTok画面注視が脇見運転に 被告「間違いありません」
新名神6人死亡初公判 TikTok注視が脇見運転に

新名神高速道路で6人が死亡した追突事故の初公判が10日、津地裁で開かれた。検察側は冒頭陳述で、被告が動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の画面をスクリーンショットしようとしたことが脇見運転につながったと詳細を明らかにした。自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪に問われた水谷水都代被告(54)=広島県安芸高田市=は、起訴内容について「間違いありません」と認めた。

事故の概要と検察の主張

検察側の冒頭陳述などによると、事故は3月20日午前2時18分ごろ、新名神高速下り線のトンネル出口付近で発生。水谷被告は広島方面に向けて時速約82キロで大型トラックを運転中、スマートフォンの画面を見ながら走行し、渋滞で停車中のミニバンに約9.4メートル手前で気づいて急ブレーキを踏んだが間に合わず、車列に追突したとされる。

日本自動車連盟(JAF)によると、時速80キロで走行する車の運転手が障害を知覚してからブレーキが効き始めるまでの「空走距離」と、ブレーキが効き始めてから停止するまでの「制動距離」を合わせると、実際の停止までに要する距離は約80メートル。知覚からブレーキまで1秒かかった場合、空走距離は20メートル以上になる。今回、被告が渋滞に気づいたのは約9.4メートル手前で、到達までの時間は0.4秒ほどとみられる。被告が運転する10トントラックには荷物も積まれていた。

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JAF三重支部の担当者は「高速走行中は、わずかな脇見でも大事故につながる危険性がある。今回、車列に気づくのが直前だったことから、ほぼブレーキをかけられていない状態で突っ込んだのではないか」と指摘する。

被告の状況と公判の様子

水谷被告は短大中退後、アルバイトなどを経て30歳ごろからトラック運転手として働き始めた。事故当時勤務していた会社では約4年前から働き、2025年10月ごろに貸与された大型トラックで配送業務に従事していた。被告は夫、長女、義母との4人暮らしだった。

初公判では、水谷被告は傍聴席に向かって一礼して入廷。消え入りそうな声で起訴内容を認めた。検察側は、被告が事故後「ショックを受けた感じ」だったと述べた。遺族6人も傍聴席から公判を見守り、中には孫への手紙が朗読される場面もあり、法廷は悲痛な空気に包まれた。

公判は今後も続き、事故の詳細な原因や被告の過失の程度が問われる。

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