三重県亀山市の新名神高速道路で令和6年6月、一家5人を含む6人が死亡した事故の初公判が10日、津地方裁判所で開かれた。遺族らは沈痛な面持ちで傍聴し、検察側の説明にすすり泣く声が法廷に響いた。
遺族の悲痛な訴え
事故で亡くなった松本幸司さん(当時45)の一家は大阪市へ観光に行く途中だった。妻の恵梨子さん(同42)の母の供述調書では「(被告人には)賠償ではなく、5人を返してほしい。私の願いはただそれだけ」と痛切に訴えた。高峰啓三さん(同56)は兵庫県へ帰省途中だった。
両遺族計13人は開廷約30分前に遺影を手に裁判所に入り、傍聴席前方に着席。検察側が事故状況を説明し、証人尋問へ進むにつれ、法廷には遺族の嗚咽が漏れた。
弁護側は情状酌量を求める
被告は起訴内容を認め、弁護側は情状酌量を求めた。閉廷後、両遺族の代理人弁護士は被告について「真摯な謝罪の気持ちが伝わってこなかった」と非難。事故が「ながらスマホ」によるものだったことを踏まえ、「事故がありました、というだけで終わらせてはいけない。これをきっかけに社会が変わらなければいけない」と強調した。
遺族のコメント
松本さん一家の遺族
「大型トラックを数秒でも前を見ずに運転すれば大惨事を引き起こすことは誰でもわかる。長年トラックドライバーを務めていたなら、より理解できたはず。運転中にふと携帯を見たという『ながら運転』による偶然の事故ではない。携帯凝視が常態化したために起こった必然的な事故だ。次回の期日で被告人が何を考え、事故にどう向き合うのか、しっかりと聴いていきたい」
高峰さんの遺族
「高峰啓三は私たちにとってかけがえのない夫であり、父でした。単身赴任で埼玉に住んでいましたが、ほぼ毎週自動車で兵庫の自宅に帰省しており、事故の日もその途中でした。ごく普通の3連休のはずが、被告人の無責任な運転で全て壊されました。大型トラックのプロドライバーとは思えない無責任極まりない運転です。大切な夫、父を亡くしたことは本当に悔しく、怒りと憤りしかありません。次回以降の裁判にも出席して見届けます」



