江戸時代に岩国領を治めた吉川家を顕彰する民間団体「岩国吉川会」は、昨年開催した「吉川広家公400年祭」のさまざまな取り組みや、広家の功績などをまとめた記念誌を制作し、山口県岩国市教育委員会に寄贈した。岩国の礎を築いた名将の功績や恩恵を、次世代に引き継ぎたいとの願いが込められており、市立小中学校や市内の図書館、公民館などで閲覧できる。
広家は関ヶ原の戦い(1600年)で、東軍の徳川方と通じて不戦を守り、西軍の大将に立てられた主家の毛利家を改易(取り潰し)から救った。戦いの後は岩国領主となり、城下町の整備や干拓事業を行い、岩国を発展させた。
没後400年の昨年は、錦帯橋周辺でランタンを一斉に空に舞わせる催事や記念式典、講演会、海上自衛隊呉音楽隊の特別演奏会などさまざまな行事を通じて遺徳を顕彰した。
記念誌はA4判カラー50ページ。一連の催事の記録のほか、吉川家の歴史、広家の活躍、吉川家ゆかりの伝統文化の継承や観光振興への貢献などについて、詳しく紹介している。
岩国吉川会の伊藤進吾会長と佐倉弘之甫副会長、田村巖幹事長が5月25日、岩国市役所を訪れ、記念誌を守山敏晴教育長に手渡した。伊藤会長は「岩国の基礎がどう築かれ、残されているか、わかりやすくまとめた」と話し、佐倉副会長は「功績や恩恵を次の100年にしっかりと残すことが大切」とし、「吉川家の歴史を学び、誇りを持ってほしい」との願いを込めて編集したことを明かした。
守山教育長は「広家公が先見の明をもって取り組んだことが今につながっている。(記念誌が)市民の勇気につながれば」と感謝の言葉を述べた。



