テキーラ32杯飲ませ女性死亡、準強制性交致死で懲役16年求刑 名古屋地裁公判
名古屋市中区のバーで女性に多量のテキーラを飲ませて性交しようとし、死亡させたとして、準強制性交致死とわいせつ目的略取の罪に問われた同市港区の会社役員、板谷博希被告(44)の裁判員裁判の公判が9日、名古屋地裁で開かれた。検察側は懲役16年を求刑し、弁護側は無罪を主張して結審した。判決は13日に言い渡される予定である。
検察側「常軌を逸した危険な行為」と指摘
検察側は論告で、被告が被害者にあおるようにテキーラを飲ませた一方、自分はわずか2杯しか飲んでおらず、酔いつぶす意図が強く推認されると主張した。さらに、「常軌を逸した危険な行為で、被害者を物のように扱った」と厳しく非難した。代理人の弁護士を通じた遺族の意見陳述では、女性の両親が「被告には1時間でも長く刑務所にいてほしい」と悲痛な訴えを展開し、裁判の緊張感を高めた。
弁護側「わいせつ目的なく、合理的疑い残る」と無罪主張
これに対し、弁護側は、被告が飲みすぎた女性を介抱するためにホテルへ向かったと説明し、「わいせつ目的はなく、犯罪成立には合理的疑いが残る」と反論した。最終陳述で、板谷被告は女性の死亡について「私の行動が招いた酒席での事故」と謝罪したものの、「道義的責任には向き合うが、事実でないことに迎合することは真の反省にならない」と述べ、無罪を貫く姿勢を示した。
起訴内容:テキーラ32杯で急性アルコール中毒に
起訴状によると、事件は2023年5月に発生した。被告はアルコール度数40度のテキーラをショットグラスで32杯、当時25歳の女性に飲ませて泥酔させ、ホテルで性交しようとしたが、女性が重篤な状態であることに気付き断念した。その後、女性は1カ月半後に急性アルコール中毒による低酸素脳症で死亡したとされる。この詳細な経緯が、裁判の核心的な争点となっている。
今回の公判では、検察側の厳しい求刑と弁護側の無罪主張が鋭く対立し、社会に衝撃を与える事件の全容が明らかになった。判決日である13日には、司法の判断が注目されることになる。



