文部科学省の私立大学支援事業を巡る汚職事件で、東京医科大の入試において同省元幹部の次男を加点して合格させたとして、贈賄罪に問われた同大元理事長の臼井正彦被告(85)ら3人について、最高裁第三小法廷(平木正洋裁判長)は27日付で被告側の上告を棄却した。これにより、3人を執行猶予付きの有罪とした一審・東京地裁判決が確定する。裁判官5人全員一致の意見。
事件の背景と判決の内容
確定する刑は、贈賄罪に問われた臼井被告が懲役1年6カ月、執行猶予4年。元学長の鈴木衛被告(76)が懲役1年、執行猶予2年。受託収賄幇助などの罪に問われたコンサル会社元役員の谷口浩司被告(55)が懲役2年、執行猶予5年。
一審判決によると、臼井被告は2017年、文科省の私立大学支援事業で東京医科大が選ばれるよう、同省元幹部に依頼。谷口被告を介して元幹部から助言を受けた見返りとして、臼井被告と鈴木被告は2018年、元幹部の次男の入学試験で加点し、合格させた。
弁護側の主張と裁判所の判断
弁護側は「加点に謝礼の趣旨はなかった」などとして無罪を主張したが、一審判決は「試験での優遇は被告らの共通認識であり、加点は謝礼の趣旨を含む賄賂に当たる」として3人を有罪と判断。二審・東京高裁もこの結論を支持した。
第三小法廷は決定で、上告理由に当たる憲法違反などがないとのみ判断した。文科省元幹部は受託収賄罪で起訴され、東京高裁で公判が続いている。
- 臼井正彦元理事長:懲役1年6カ月、執行猶予4年
- 鈴木衛元学長:懲役1年、執行猶予2年
- 谷口浩司元役員:懲役2年、執行猶予5年
本件は、大学入試の公平性を揺るがす重大な事件として注目され、教育界に波紋を広げた。最高裁の判断により、司法の場での一連の審理は終結した。



