社会 <目耳録> 歌われぬ校歌 2026年6月11日 16時00分 (6月11日 16時00分更新)
昨年、93歳で亡くなった父の遺品を整理していて「おっ!」と声を上げてしまった。わが家全員の母校である愛知県安城市安城南部小の校歌の歌詞を見つけたのだが、歌ったこともない3番の歌詞があったからだ。
校歌は2番までしかないとずっと思ってきた。母(87)も「知らん」と言う。
戦後、連合国軍総司令部(GHQ)は軍国主義を想起させる歌詞の校歌を禁じた。だが、この3番は子どもたちに謙虚の徳を説いた、ごく普通の内容だ。
校歌は1934年制定。歌詞は、例えば「鉄石の意志の力きたえなん」と文語調で、小学生には少し難しい。いい校歌はできたが、先生方の判断で実際に歌うのは2番までにしておいたのでは-。
私が南部小を卒業して今年で50周年。くしくもそんな年、歌われなかった校歌の謎に楽しい想像を巡らせている。(浅井正智)



