農業用ドローンの開発・販売を手がけていた「ナイルワークス」(さいたま市南区、登記上は東京都千代田区)が、東京地方裁判所に特別清算を申請したことが明らかになった。帝国データバンク東京支社と東京商工リサーチの発表によると、申請日は20日付で、負債総額は約25億円に上る。
事業内容と経営状況
ナイルワークスは2015年に設立。主に農薬散布用ドローンの開発、製造、販売を中心とした農業用ドローン事業に加え、ドローンで撮影したデータを解析するファームソリューション事業、農薬散布の依頼者と受託者をマッチングする農作業マッチング事業を展開していた。2019年12月期には農薬散布用ドローンの販売が伸び、売上高は約2億5500万円を記録した。
しかし、大手商社や輸送機器メーカーからの出資や貸付による支援を受けていたものの、人件費や開発費の負担が重く、赤字が累積。2024年12月期の売上高は1億1020万円だったが、8億4375万円の赤字を計上し、債務超過額は21億8447万円に達していた。
事業譲渡と解散
中国メーカーが市場を席巻するドローン業界において、国内技術による開発・生産を維持するため、ナイルワークスはドローン事業の知的財産権などをNTT東日本などが出資する「NTT e-Drone Technology」(埼玉県朝霞市)に譲渡。その他の事業についても昨年10月末までに譲渡を完了し、同年11月下旬の株主総会で解散を決議していた。
今回の特別清算申請により、同社は法的整理の手続きに入ることとなる。負債25億円の規模は、農業用ドローンのスタートアップとしては大きな額であり、業界の厳しさを浮き彫りにしている。



