司法書士会退会の男を逮捕 遺産相続手続き代理人として依頼人母の口座から2300万円着服の疑い
司法書士会退会の男逮捕 遺産相続代理人で2300万円着服疑い (06.03.2026)

司法書士会退会の男を逮捕 遺産相続手続きで2300万円着服の疑い

福岡地方検察庁特別刑事部は3月5日、福岡県司法書士会に所属していた無職の男(48歳・福岡市博多区)を業務上横領の容疑で逮捕しました。同地検が発表した内容によると、男は遺産相続手続きの代理人として依頼を受けた際、依頼人の母親の銀行口座から多額の資金を着服した疑いが持たれています。

着服額は約2300万円 長期にわたる不正行為

逮捕容疑の詳細について、福岡地検は男が2024年7月から2025年12月にかけて、遺産相続手続きの代理人業務に際し、依頼人の母親が所有する銀行口座の解約払戻金から合計約2300万円を着服したと説明しています。この期間、男は依頼人から委託された相続手続きの代理人として活動しながら、預金口座の解約手続きを実行し、その払戻金を不正に流用していたと見られています。

地検関係者によれば、男は依頼人から遺産相続に関する一連の手続きを委託され、その過程で故人の母親の銀行口座解約を実施。本来ならば依頼人に返還されるべき資金を、自らの目的のために横領していたとされています。現在、地検は男の認否について明らかにしていませんが、捜査関係者は「詳細な資金の流れを追及している」と話しています。

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司法書士会を退会 背景に組織的な問題は

福岡県司法書士会によると、今回逮捕された男は2024年4月に同会を退会していたことが判明しています。この退会時期は、着服行為が始まったとされる2024年7月の約3か月前に当たります。司法書士会関係者は「退会理由については個人情報のためコメントできないが、会としても今回の事件を重く受け止めている」と述べています。

司法書士は相続手続きや登記業務など、市民の重要な財産に関わる業務を担う専門職です。今回の事件は、そうした信頼関係を悪用した疑いが強く、専門職倫理に関する大きな問題を投げかけています。地検特別刑事部は、男が退会後も「元司法書士」として業務を継続していた可能性についても調査を進めている模様です。

業務上横領の法的位置づけと今後の捜査

業務上横領罪は、他人から委託を受けた金銭や物品を、業務上で保管している者が自己や第三者のために着服する行為を指します。刑法第253条に規定されており、10年以下の懲役に処せられる重罪です。特に司法書士のような専門職による横領事件は、社会的信頼を損なう行為として厳しく処罰される傾向にあります。

福岡地検は現在、男の自宅や関係先に対する捜索を実施し、着服資金の使途や、他に同様の被害者がいないかについても調査を拡大しています。また、司法書士会退会前後の男の行動や、依頼人との契約内容についても詳細に調べていると伝えられています。

専門家は「相続手続きは故人の財産を適正に分配する重要なプロセスであり、代理人への信頼が前提となっている。今回のような事件が発生したことは極めて遺憾で、司法書士業界全体の信頼回復が急務だ」と指摘しています。地検は今後、男の動機や背景についてさらに捜査を進め、早期に起訴する方針です。

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