東京都は4日、都内23区の民営火葬場における火葬料金の高騰問題を受けて、有識者や区長らによる検討会の初会合を開催した。この検討会では、火葬場の経営管理のあり方について議論が行われ、来年3月をめどに検討結果をまとめる方針が示された。
火葬料金の高騰と需給逼迫の現状
東京都内の23区には現在9つの火葬施設があり、そのうち6施設を民間企業が運営している。これらの民間事業者は、燃料費の高騰などを理由に火葬料金を最大9万円まで引き上げた。全国的に見れば、公営の火葬場が大半を占め、料金は無料から2万円程度に抑えられているケースが多いため、都内の負担の大きさが問題視されていた。
検討会では、都が今後の火葬需給に関する推計も公表。少子高齢化による死者数の増加が見込まれる中、現在都内にある26施設の火葬場では、2035年ごろにはスムーズな火葬が困難になる可能性が示された。需給差(火葬件数から死亡者数を引いた数)が縮小し、逼迫する見通しだという。
区長から相次ぐ公営化・増設の提案
検討会の委員として出席した新宿区の吉住健一区長は、「民間の火葬料金設定を含めた経営管理に対して区が関与できない」と課題を指摘し、自治体による小規模な火葬場の増設を提案した。
一方、世田谷区の保坂展人区長は、「火葬は公共性の高い事業なので、公営化するチャンス」と述べ、民営火葬場を都や自治体が買収すべきだと主張した。両区長の意見は、火葬場の運営に対する自治体の関与強化を求める点で共通している。
今後の検討課題
検討会では、火葬料金の適正化や公営化の可能性、新たな火葬場の建設など、多岐にわたる議題が話し合われる見通し。東京都は、来年3月までに具体的な提言を取りまとめ、区民の負担軽減と円滑な火葬サービスの提供を目指す。



