クリニック院長の性被害認め賠償命令 元従業員女性に220万円支払い
クリニック院長の性被害認め賠償命令 元従業員に220万円 (26.02.2026)

クリニック院長による性被害認め 運営法人に賠償命令

千葉県香取市の「あいざわクリニック」の院長から性的被害を受けたとして、元従業員の女性が運営法人に損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁佐原支部(大畑道広裁判官)は2026年2月26日、法人側に220万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

判決が認定した被害の詳細

判決によると、元従業員の女性(28歳)は2017年10月、会食の場で院長の男性から複数回にわたり胸を触られる被害を受けました。同年11月以降も、勤務中に体を触られる行為が続き、さらにLINEを通じてアダルトグッズのリンクを送られたり、卑猥な言葉を投げかけられたりしたとされています。

法人側は男性の行為を否定しましたが、判決はLINEの記録などの客観的証拠を重視し、被害事実を認定しました。特に、法人側が「男性の行為を知りながら放置した」という点を指摘し、管理責任を問う形となりました。

長引いた裁判と加害者の刑事責任

この事件は、被害女性が相談に迷い続け、裁判が長期化した経緯があります。判決が下されるまでに8年半の歳月が流れました。一方、加害者である院長の男性は、原告を含む女性従業員2人に対する強制わいせつ罪で起訴され、2026年1月には有罪判決が確定しています。

法人側の代理人弁護士は、朝日新聞の判決へのコメント求めに対し、「差し控える」と回答しています。元従業員女性は当初、約820万円の損害賠償を求めていましたが、判決では220万円の支払いが命じられました。

社会的背景と今後の課題

この判決は、職場における性被害の問題を改めて浮き彫りにしました。特に医療機関のような専門職の場であっても、権力関係を背景にした被害が発生し得ることを示しています。判決が法人の管理責任を認めた点は、組織全体の防止対策の重要性を訴えるものと言えるでしょう。

被害女性の長年にわたる苦悩と、ようやく得られた司法の判断は、同様の被害に遭っている人々への一つのメッセージともなっています。職場環境の整備と、被害者支援の充実が今後ますます求められるでしょう。