未成年の大麻摘発者数が過去最多に 高校生の増加が顕著
昨年1年間に大麻事件で摘発された20歳未満の若者が1373人に達し、統計を取り始めた1990年以降で最多となったことが警察庁のまとめで明らかになった。この数字は前年比で約2割増加しており、未成年者による大麻問題が深刻化している実態が浮き彫りとなった。
高校生の摘発が前年比108人増加
警察庁によると、1373人の内訳をみると、高校生が313人(前年比108人増)と最も増加幅が大きく、大学生が62人(同8人増)、中学生が28人(同2人増)となっている。職業別では有職者が624人で最多を占め、無職者は283人だった。
違反内容別では「所持」が1121人で全体の約82%を占め、2024年12月に施行された改正法で処罰対象となった「使用」でも173人が摘発された。このことから、単なる所持だけでなく、実際の使用に及ぶケースも少なくないことがうかがえる。
「誘われて」が初使用のきっかけの6割
警察庁が実施した実態調査では、大麻を初めて使用したきっかけについて「誘われて(唆されて)」が約60%を占める結果となった。このデータは、周囲からの影響が未成年者の大麻使用開始に大きく関与していることを示唆している。
同庁の関係者は「若年層の間で大麻に対する危険性の認識が十分に浸透しておらず、SNSや知人を通じて安易に入手するケースが増えている」と指摘。特にソーシャルメディアを介した取引が簡便化され、未成年者がアクセスしやすい環境が整ってしまっている現状に警鐘を鳴らしている。
乱用防止へ情報発信を強化
こうした状況を受けて、警察庁は未成年者への大麻乱用防止に向けた情報発信を強化する方針を明らかにした。具体的には、学校や地域と連携した啓発活動の拡大、SNS上での注意喚起、そして保護者向けの指導資料の充実など、多角的なアプローチを検討している。
専門家は「統計上の数字は氷山の一角に過ぎず、実際にはより多くの未成年者が大麻に接触している可能性がある」と懸念を示す。大麻の健康への影響や法的リスクについて、早期からの教育が急務となっている。
今回の統計は、未成年者の薬物問題が単なる犯罪取り締まりの対象を超え、社会全体で取り組むべき課題であることを改めて浮き彫りにした。今後の対策如何では、さらに深刻な事態へ発展する恐れも指摘されており、関係機関の連携が求められている。



