11億円超の巨額融資詐欺事件、元社長ら3人に実刑判決が下る
名古屋地裁は2026年3月3日、粉飾した決算書類を銀行に提出して総額11億9千万円の融資を不正に受けたとして、詐欺罪などに問われた携帯電話販売会社「アミックテレコム」の元社長青木隆幸被告(69)ら3人に対し、いずれも実刑判決を言い渡しました。
青木被告には懲役7年(求刑懲役9年)が、元役員戸田直樹被告(52)と元財務本部長荒井淳一被告(51)にはそれぞれ懲役4年6月(求刑同6年)が科せられました。
「大胆かつ巧妙で悪質」と断じた判決理由
坂本好司裁判長は判決理由において、実態とは大きくかけ離れた虚偽の決算報告書を作成し、金融機関から巨額の融資を受けた手口について「大胆かつ巧妙で悪質である」と厳しく指摘しました。
さらに「常習性も認められ、被害結果は極めて重大だ」と述べ、事件の深刻さを強調しています。青木被告については「首謀者的立場にあり、かなり以前から同様の粉飾決算を継続しており、その責任は相当に重い」と判断しました。
各被告の役割と責任
戸田被告はナンバー2として融資手続きにおいて重要な役割を果たし、荒井被告は経理の専門知識を生かして粉飾された決算報告書を作成したことから、いずれも実刑を免れないと裁判所は判断しました。
判決によれば、3人は共謀して2018年に岐阜県の銀行から10億円、2023年に愛知県の銀行から1億9千万円をだまし取ったとされています。加えて、戸田被告と荒井被告は会社の資金から合計約3100万円を着服していたことも明らかになりました。
事件の背景と関連事業
アミックテレコムは2024年5月に閉校した「愛知中央美容専門学校」(愛知県小牧市)の運営に参画していたことが判明しています。この事業との関連性も含め、事件の全容が浮き彫りとなりました。
今回の判決は、金融取引における不正行為に対して司法が厳格な姿勢を示した事例として、地域社会に大きな衝撃を与えています。関係者らは今後、控訴するかどうかを検討することになります。



