動物病院火災で愛犬が死亡、飼い主と病院側が和解に合意
動物病院に入院中だったペットの犬が火災で死亡したとして、飼い主の男性が病院側に賠償を求めた訴訟が、東京地裁において和解が成立しました。病院側は男性に解決金100万円を支払い、ホームページに謝罪文を掲載するなどの条件で合意に至りました。
「家族同然」の愛犬が火災で命を落とす
原告の里井重仁さん(67)が飼っていたのは、マルチーズとトイプードルのミックス犬「ミエル」(5歳)です。ミエルは昨年5月、東京都内の動物病院でヘルニアの手術を受けて入院しましたが、その3日後に院内で発生した火災により死亡しました。
里井さんは、病院側が医療機器をコンセントに接続したまま放置したことが火災の原因だと主張。「ペットの安全を確保する義務を怠った」として、昨年8月に300万円の賠償を求める訴訟を提起していました。
和解内容と飼い主の心情
和解により、病院側は里井さんに解決金100万円を支払うことに加え、火災によってミエルが死亡したことを謝罪する文書を、4月から1年間にわたりホームページに掲載することが決まりました。
里井さんの代理人を務めた渋谷寛弁護士によると、ペットの死亡に伴う慰謝料は、人の場合に比べて低額となるケースが多く、数十万円程度が一般的だといいます。里井さんは会見で、「ミエルは保護犬として我が家に来て、5年間家族を癒やしてくれたかけがえのない存在でした。解決金は、彼の命の対価として受け止めています」と心情を語りました。
この訴訟は、ペットが「家族同然」の存在であるという飼い主の思いと、法的には「物」として扱われることが多い現実の間で、慰謝料の額が争点となるケースの一例となりました。病院側の謝罪文掲載は、再発防止と社会的な説明責任を果たす意味も含まれています。



