日本郵政グループに新たな疑惑が浮上した。郵便物を集める委託業務の入札が不正に歪められ、中堅社員(当時)らが業者から見返りを受け取っていたとされる。郵便料金の再値上げや多額の公的支援が検討される中、ガバナンスの弱さが改めて浮き彫りになっている。
今年だけで10件超の不祥事
日本郵便では今年だけで、顧客の貯金を着服するなどの不正事案が10件以上も発覚した。特に局長や課長といった管理職による多額の犯罪が目立つ。大阪では郵便局長がかんぽ生命保険への出向時に顧客の口座から1300万円を窃取したとされる。川崎市では郵便局長らが貯金データを改ざんして700万円を詐取していたという。
組織風土改革の効果は不透明
かんぽ生命の大規模な不正販売が発覚した2019年以降、日本郵政グループはコンプライアンスの徹底や組織風土改革を優先課題に掲げてきた。しかし、不祥事のペースが衰える気配はない。一部の問題を抑える対策を打っても、別の場所で異なる不正が発生する「もぐらたたき」の様相を呈している。
専門家は「根本的な組織文化の変革がなければ、対症療法では限界がある」と指摘する。日本郵便は再発防止策を強化するとしているが、実効性が問われている。



