DV夫に支配された14年 共同親権の開始で募る被害者の不安
2026年3月30日、編集委員・岡崎明子による報道によれば、夫から14年間にわたり家庭内暴力(DV)を受けてきた女性が、2026年4月から開始される共同親権制度に強い不安を感じている。この女性は東京都内在住の51歳で、長男が生後9カ月の頃から暴力に苦しんできた。
警察介入の限界と絶望的な状況
ある日、夫婦げんかがエスカレートし、夫が女性のノートパソコンを捨てようとした。女性が慌てて取り戻そうとすると、夫は彼女を引きずりながらマンションの外へ連れ出した。血だらけになった女性を見かけた通行人が110番通報し、警察が到着した。
しかし、警察官から「お二人は結婚していますか」と聞かれ、うなずくと、「夫婦関係には介入できない」と言われた。この瞬間、女性は「家の中のことは、誰も助けてくれないんだ」と絶望を味わった。
スピード婚と支配的な関係の始まり
女性は3歳年下の夫と35歳で結婚した。夫は国際機関に勤務し、見た目も良く、すぐに意気投合したため、交際開始からわずか3カ月でスピード婚を決断した。出産のタイムリミットが迫り、早く結婚したいという焦る気持ちも影響していた。
結婚前、夫が母親に高圧的な態度を取る姿を見て気にはなっていたが、親子関係の問題だと考えていた。しかし、その攻撃性は次第に女性自身にも向かうようになった。
日常的な精神的虐待と暴力
育児で疲れ切っているのに、おむつが家に転がっていたり、皿が洗われていなかったりすると、夫は「お前が悪い」と責め立てた。長男が発達障害の診断を受け、学校に行き渋った時も、「お前のせいだ」と責任を押しつけてきた。
ほとんど子育てをしない夫は、「おれがやれば、慶応に入れることができる」と豪語する一方で、殴る蹴るの身体的暴力もふるわれるようになった。「母親が犠牲は当たり前」という呪いの言葉を繰り返され、女性は自分に言い聞かせて耐えてきた。
共同親権制度への懸念
民法が改正され、2026年4月から、離婚後も父母の双方が親権を持てる「共同親権」が始まる。この制度は、子どもの福祉を考慮したものだが、DV被害者からは懸念の声が上がっている。女性は、「もし共同親権が認められたら不安です」と語り、支配的な元配偶者との継続的な関わりが新たなリスクを生む可能性を指摘する。
この事例は、DV被害者が制度導入によってさらなる苦境に立たされる恐れを浮き彫りにしており、社会全体で支援策の強化が求められている。



