旧姓単記法制化へ 選択的夫婦別姓議論は先送りか 第6次男女共同参画基本計画
旧姓単記法制化へ 選択的夫婦別姓議論は先送りか

旧姓単記の法制化検討が明記 第6次男女共同参画基本計画が閣議決定

政府は、男女共同参画社会の実現に向けた今後5年間の政策指針となる「第6次男女共同参画基本計画」を閣議決定した。この計画では、高市早苗首相が意欲を示す旧姓の通称使用拡大を踏まえ、公的書類などに旧姓だけを記載する「単記」を可能とする法制化の検討が明記された点が注目される。

現行計画から踏み込んだ内容に変更

現行の第5次計画では、「旧姓の通称使用の拡大や周知に取り組む」とされていたが、第6次計画の原案では「法的効力を与える制度の創設」を検討すると追記。高市首相が「旧姓の単記も可能とする基盤整備の検討」を関係閣僚に指示したことで、より踏み込んだ内容に変更された。

現在、パスポートやマイナンバーカード、運転免許証などでは旧姓と戸籍姓の併記が認められているが、旧姓の単記は認められていない。旧姓だけが記載された公的証明書が活用できれば、結婚時に改姓しても、戸籍以外の場面で旧姓で生活できるようになり、利便性が向上すると期待される。

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単記の対象外となる証明書も 実効性に課題

しかし、高市首相は国会で、本人確認に使われる厳格な証明書などは単記の対象外になるとの認識を示した。本人確認で一般的に利用される免許証やマイナンバーカードが対象外であれば、そのメリットは実感しにくいと指摘される。

また、旧姓だけが記された証明書を自治体や企業に提出した場合、戸籍姓と突き合わせる作業が生じる可能性もあり、こうした弊害に対する解決策の検討が求められる。

選択的夫婦別姓制度には言及なし 高市首相は慎重姿勢

一方、選択的夫婦別姓制度については、第5次計画を踏襲し、家族の一体感や子どもへの影響を考慮し「国民の意見や国会での議論の動向を注視しながら検討を進める」とした。経済界や一部の野党が求める同制度への具体的な言及はなかった。

高市首相は国会で、選択的夫婦別姓制度への賛否を問われ「慎重な立場だ」と明言。旧姓の通称使用拡大と選択的夫婦別姓は「全く別物だ」とも語り、今回の旧姓使用拡大が同制度の導入を遅らせる狙いがあるのではとの声も上がっている。

幅広い視点での議論が不可欠

慣れ親しんだ姓名に愛着が強い人が、結婚時の改姓で自己喪失感を覚えるケースもあるとされ、世論調査では選択的夫婦別姓制度の導入を求める割合が大きい。政府や国会は、旧姓の使用拡大だけでなく、夫婦別姓制度の導入議論も深め、男女共同参画社会の実現に向けた最善の方策を探るべきだ。

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