福島県が教育分野で全国最下位に ジェンダー・ギャップ指数2026年版を公表
上智大学の三浦まり教授を中心とする「地域からジェンダー平等研究会」は、3月8日の国際女性デーに合わせて、2026年の「都道府県版ジェンダー・ギャップ指数」を発表しました。この指数は、政治、行政、教育、経済の4分野において、各地域の男女平等の度合いを詳細に分析したもので、「1」に近いほど平等が進んでいることを示しています。
福島県の教育分野が深刻な後退 全国47位に転落
今回の調査で特に注目されたのは、福島県の教育分野における大幅な後退です。指数は0.526と低く、前年の46位からさらに順位を下げ、全国で最下位の47位に転落しました。この結果は、小中学校や高校の校長の男女比が依然として40位台に低迷していることや、四年制大学進学率の男女差が0.838と、前年の41位から46位に落ち込んだことが主な要因です。
全国的に見ると、四年制大学進学率で女性が男性を上回る都道府県は、前年は徳島県のみでしたが、今回は4都県に増加しました。しかし、福島県ではこうした傾向が追いついておらず、教育分野での格差が深刻化している実態が明らかになりました。
4分野のトップは安定 東京・鳥取・徳島・高知が継続
一方、4分野のトップは比較的安定しており、変動が少ない状況です。政治分野では、都や区議会の女性比率が高い東京都が0.386で1位となり、行政分野では女性登用を積極的に進めてきた鳥取県が0.514で1位を獲得しました。いずれも5年連続の首位維持です。
教育分野では徳島県が0.730で1位、経済分野では高知県が0.455で1位となり、両県とも2年連続のトップを守りました。これらの結果から、上位県では継続的な取り組みが成果につながっていることが伺えます。
行政分野で茨城県が急上昇 福井県は課題も
行政分野では、福島県が0.320で24位となり、前年から3つ順位を下げました。一方、県の審議会や委員会に女性を増やした茨城県は、前年の31位から8位に急上昇し、大きな改善を見せています。
福井県は2位を維持しましたが、前知事がセクハラ問題で辞職した影響もあり、指数では評価できない「質」の課題が浮き彫りになりました。このことから、単なる数値の向上だけでなく、実質的な平等の確保が重要であることが示唆されています。
経済分野で福島県が改善 長野県も大幅上昇
経済分野では、福島県が0.430で前年の24位から15位に上昇し、明るい兆しが見られました。フルタイムの仕事に従事する女性の割合や女性社長の数が増加したことが、順位を押し上げた要因です。
また、長野県はフルタイムの男女間賃金格差が縮小し、前年の37位から11位に大幅に上昇しました。こうした改善事例は、経済分野での男女平等が進む可能性を示しています。
三浦教授が指摘する「粘り強い取り組み」の必要性
三浦まり教授は今回の結果について、「ジェンダー平等は常に改善するわけではなく、後退もある。粘り強く取り組むことが必要」と強調しました。指数の公表は今回で5回目となり、政府統計などから計30指標を選び、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数に準じた手法で統計処理されています。
この指数は、地域ごとの男女平等の現状を可視化し、課題の特定と改善に向けた議論を促す重要なツールとして、今後も注目されていくでしょう。



