帝人グループ、個人向けiPS細胞サービスを4月開始 製造費1千万円台で
将来の病気に備えて、個人の血液から体のあらゆる組織に変化できるiPS細胞を製造・保管する画期的なサービスが、大手総合化学メーカー・帝人のグループ会社「帝人リジェネット」(東京都)などによって、2026年4月から開始されることが発表されました。このサービスは、製造に約1千万円台、保管に年間数万円の費用を見込んでおり、個人が自身の細胞を長期にわたって確保できる新たな選択肢として注目を集めています。
サービス詳細と対象年齢
サービス名は「BRR(バイオ・リソース・リザーブ)」と命名され、顧客の血液からiPS細胞を作製します。対象年齢は、臍帯血を活用できる0歳から始まり、上限は設けられていません。保管については、契約内容に応じて半永久的に可能とされており、大阪・中之島の複合医療施設をはじめ、複数の場所で安全に管理される計画です。
提携企業と背景
帝人リジェネットは、再生医療に使用される細胞などの受託製造を手掛ける企業で、今回の発表は、京都市や島津製作所などが出資する「iPSポータル」(京都市)との共同で行われました。この提携により、iPS細胞技術の実用化がさらに加速することが期待されています。
発表会には、帝人リジェネットの田中泰至社長、iPSポータルの中河圭二取締役CFO、京都大学iPS細胞研究所基盤技術研究部門の戸口田淳也・特定拠点教授が出席し、サービスの重要性を強調しました。国内では現在、重症心不全などの疾患に対するiPS細胞を用いた治療法の開発が進んでおり、個人向けサービスの開始は、再生医療の普及に向けた大きな一歩となるでしょう。
市場の反応と将来展望
このサービスは、高齢化社会が進む日本において、将来の健康リスクに備える需要が高まっていることを背景に、企業が新たなビジネスチャンスとして参入した事例です。製造費用が1千万円台と高額ながら、長期保管による安心感から、富裕層を中心に関心が寄せられています。また、iPS細胞技術の進歩により、将来的にはより低コストでの提供も視野に入れられており、医療・健康分野におけるイノベーションの可能性を広げています。



