高知県立病院でICUの医師配置基準違反 診療報酬5453万円の返還決定
高知県は、県立幡多けんみん病院(宿毛市)の集中治療室(ICU)において、国の定める基準を満たす専任医師の常時配置が適切に行われていなかった問題を受け、2022年7月から2025年3月までの期間にわたり、医師が不在だった時間帯にICUで治療を受けた患者404人分の診療報酬、総額5453万円を患者や保険組合に返還する方針を正式に明らかにしました。
看護師との連携で問題ないとの誤った解釈
高知県庁の県立病院課によると、ICUには常時、専任の医師と看護師を配置することが国の基準で義務付けられています。しかし、同病院では急患対応などの理由で、一時的に医師がICUを離れることが頻繁に発生していたことが判明しました。病院側は「看護師ときちんと連携がとれていれば問題がない」という誤った解釈を持っており、この認識の甘さが長期間にわたる基準違反を招いた要因となっています。
問題発覚後、ICUをHDUに変更
この問題が明るみに出たことを受けて、高知県は2025年4月、同病院の全6床のICUについて、より配置基準が緩やかな高度治療室(HDU)への変更届け出を行いました。HDUはICUに比べて医師の常時配置が必須ではない場合が多く、現状に合わせた施設形態への移行を図った形です。
県立病院課の担当者は「今後は国の基準などを厳格に順守し、適切な医療運営が実施できるよう、体制の整備と徹底した管理に努めていきたい」とコメントしています。今回の事例は、医療機関における基準遵守の重要性と、スタッフ間の認識共有の必要性を改めて浮き彫りにする結果となりました。



