愛知・長久手市に中部初の「こどもホスピス」8月開設へ NPOが運営、空き家を活用
愛知・長久手市に中部初のこどもホスピス 8月開設 (24.02.2026)

愛知県長久手市に中部地方初の「こどもホスピス」が8月開設へ

小児がんや難病など重い疾患を抱える子どもとその家族が、治療の合間に安らげる専門施設「こどもホスピス」が、2025年8月に愛知県長久手市で開設されることが決まりました。運営するのは、名古屋市を拠点とするNPO法人「愛知こどもホスピスプロジェクト」で、寄付を主な財源として運営されます。中部地方では初めてのこどもホスピスとなります。

空き家を活用したバリアフリー施設、看護師が常駐

施設は長久手市の空き家を改修して利用します。所有者が5年間の期限付きで貸与を申し出たもので、床面積は120平方メートルの木造平屋建てです。車いす利用者向けに段差がなくバリアフリーに配慮されており、緊急時の搬送も迅速に対応できるよう、名古屋市内の主要病院から30分以内の立地にあります。

施設には看護師1名が常勤し、NPO法人に登録する300人以上のボランティアが交代で支援にあたります。受け入れは1日1家族を基本とし、初年度は昼間のみの開所、2年目以降は宿泊にも対応する計画です。改築費用は2月28日からクラウドファンディングで募ります。

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「ささやかな夢を実現させたい」看護師24年の思い

NPO法人の代表理事を務める畑中めぐみさん(46)は、看護師として24年間、その多くを小児科で勤務してきました。畑中さんは、重い病気と闘う子どもたちが「家に帰りたい」「きょうだいと遊びたい」といったささやかな願いを抱えながらも、入院生活ではプライバシーや自由が制限される現状を目の当たりにしてきました。

「お母さんもお父さんも、身の回りのことを気にせずに楽しい時間を過ごせるようにしたい。ここでの時間が『頑張って治療しよう』という気持ちにつながってほしい」と畑中さんは語ります。2023年4月に患者家族や医療関係者とともに法人を設立し、企業や大学と連携しながらイベントを開催するなど、施設の必要性を訴えてきました。

こどもホスピスの現状と行政の動き

一般社団法人日本こどもホスピス協議会(横浜市)によると、こどもホスピスは制度化されておらず、明確な定義はありません。医療型や福祉型など様々な形態がありますが、今回の長久手市の施設は寄付を財源とする「独立運営型」「地域型」に分類されます。全国では横浜と大阪の2カ所のみで、医療や福祉の枠を超えた生活支援が可能です。

政府は2023年12月に閣議決定した「こども大綱」でこどもホスピスの普及を明記し、2025年度には愛知県や名古屋市など5自治体をモデル事業の実施地域に指定。補助金を出して官民連携のネットワーク構築を進めています。名古屋市では2025年度に病気の子どもと家族へのアンケートを実施し、2026年度には運営団体への補助制度を検討中です。

「愛知こどもホスピスプロジェクト」は長久手市での開設を皮切りに、名古屋市での施設設置も目指しており、行政の支援が後押しになることを期待しています。

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