鹿児島市は、共働き家庭などの小学生を預かる「放課後児童クラブ」(学童保育)を利用できない市内の待機児童が、2026年度に4校区で31人(前年度比10人減)となったと発表した。今年4月に新たに9つの民間クラブを開設し、待機児童の減少を目指してきた。下鶴隆央市長は「待機児童解消に向けた取り組みを継続し、子育てしやすい環境を整えたい」と意気込みを語った。
学童保育の需要増加
児童保育の需要は、共働き家庭の増加などを背景に全国的に高まっている。こども家庭庁の統計によると、昨年の登録児童数は全国で約157万人に達し、前年から5万人増加した。鹿児島市内でも需要は増加傾向にあり、2026年度の利用者数は9325人で過去最多を記録。利用希望率は全学年で31.4%(前年度比1.2ポイント増)と上昇を続け、特に1~3年生では53.1%(同2.7ポイント増)と過半数を超えた。
受け皿確保の取り組み
こうした状況を受け、市は受け皿の確保を急いでいる。同クラブは校区ごとの利用が原則で、保育所のように市内全域で利用できるわけではない。市は需要予測に基づき、クラブが不足する校区で民間事業者を公募し、開設を促進。ここ4年間で29か所増加し、2026年度は237か所(定員1万967人)となった。
需給バランスの調整
校区ごとの需給バランスの調整も必要で、市全体では定員が希望者数を上回っているものの、一部の校区では不足が生じている。2026年度は原良、郡山、西田、向陽の4校区で計31人の待機児童が発生した。市は2025年度に初めて複数の校区をカバーする「広域型」クラブを設置し、2026年度は5か所を開設。校区を越えた利用を可能にし、効率的な運用を図っている。
支援員確保の課題
課題は支援員の確保だ。勤務は1日4時間程度で、夕方の家事の時間帯と重なるため、パートで働く主婦や主夫が働きにくい背景がある。市は大学生への呼びかけや、保護者とのやり取りを簡易化するシステムの導入により業務負担の軽減に努めているが、一部の校区では支援員不足が解消しない状況が続いている。市の担当者は「希望児童の予測精度を高め、支援員の処遇改善を行い、待機児童ゼロを実現したい」と述べている。
保育施設待機児童は3年連続ゼロ
保育所などに入れない未就学の待機児童については、鹿児島市は2026年度もゼロを達成。2024年度以降、3年連続で「待機児童ゼロ」を維持している。市によると、2022年4月1日時点の待機児童は136人で全国の市区町村で最多だったが、受け入れに余裕のある保育施設の情報提供や、保育士資格を持ちながら就労していない潜在保育士への就職奨励金制度の創設など、保育士確保策を強化したことが功を奏したという。



