介護サービス料金で約2000万円の水増し請求疑い 元代表取締役を逮捕
京都府警は2026年3月4日、訪問介護サービスの利用料金を大幅に水増し請求した疑いで、事業を運営する会社の元代表取締役を逮捕しました。正規の本人負担分が約40万円であるところを、約2000万円にまで膨らませて請求していたとされています。
巧妙なシステムを悪用した犯行手法
府警の発表によりますと、この事件では集金代行サービスのサイトを悪用した手口が用いられました。利用料の本人負担分は、会社側がサイト上で金額を入力すると、自動的に利用者の口座から引き落とされるシステムとなっていました。容疑者はこの仕組みを利用し、実際の金額をはるかに上回る額を不正に入力していたと見られています。
被害を受けたのは、要介護認定を受けていた90代の男性でした。この男性は2022年7月から容疑者が運営する会社の訪問介護サービスを利用しており、2026年1月に亡くなっています。府警は、男性が生前に気付かないうちに多額の金銭を引き落とされていた可能性を指摘しています。
逮捕された容疑者の詳細と会社の状況
逮捕されたのは、森田正容疑者(44歳)=京都市山科区在住です。森田容疑者は、訪問介護事業を運営していた会社の元代表取締役を務めていました。なお、この会社は現在、破産手続き中であることが明らかになっています。
容疑者は電子計算機使用詐欺の疑いで逮捕されました。これは、コンピューターや情報処理システムを利用して不正な利益を得る犯罪を指します。府警は、集金代行サイトの入力機能を悪用した点がこの罪名に該当すると判断したものとみられます。
さらなる被害の可能性と今後の捜査方針
府警の調べでは、この会社の介護サービスを利用していたのは約50人にのぼります。このため、他の利用者に対しても同様の水増し請求が行われていた可能性が否定できません。府警は、関係者への聞き取りや記録の分析を進め、被害の全容解明に努めるとしています。
高齢者を対象とした介護サービスは、利用者とその家族にとって不可欠な支援です。しかし、今回のような事件が発生したことで、サービス提供における透明性と信頼性の確保が改めて問われることになりました。府警は、介護事業者全体の適正な運営を促すためにも、徹底した捜査を行う方針です。
また、集金代行サービスを利用した金銭のやり取りが増える中、システムの脆弱性を突いた犯罪の防止策が急務となっています。今後の捜査では、技術的な側面からの検証も進められる見込みです。



