処方薬で障害の賠償額減額、札幌高裁が八雲町への支払いを約1億2500万円に
処方薬障害で賠償額減額、札幌高裁が八雲町に約1億2500万円

処方薬による障害訴訟で賠償額が減額、札幌高裁が八雲町に約1億2500万円の支払いを命じる

八雲総合病院で処方された経口避妊薬を服用したことで身体障害を負ったとして、北海道在住の女性(61歳)らが病院を運営する八雲町などを相手取り、約2億7500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審において、札幌高等裁判所は3月17日、賠償額を約1億2500万円とする判決を言い渡しました。

この判決は、1審の函館地方裁判所が町に約1億9400万円の支払いを命じた判決を変更するもので、賠償額が約6900万円減額される結果となりました。

経口避妊薬の長期服用で脳静脈洞血栓症を発症

判決の内容によりますと、女性は2007年3月から2013年11月にかけて、計34回にわたり病気の治療を目的として経口避妊薬を処方されました。その後、2014年1月に脳静脈洞血栓症を発症し、右半身不随や失語症などの重い後遺症が残ったとされています。

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この脳静脈洞血栓症は、脳の静脈に血栓ができる疾患であり、経口避妊薬の副作用として知られるリスクの一つです。女性はこれらの後遺症により、日常生活に大きな支障をきたしていると訴えていました。

高裁は医師の過失を認めるも損害算定を見直し

札幌高等裁判所の斎藤清文裁判長は、1審判決と同様に、医師が女性に対する適切な検査や経過観察を行わずに経口避妊薬を処方した過失を認めました。これは、患者の健康状態を十分に把握せずに薬剤を投与した点が問題視されたためです。

しかし、高裁は後遺症が残ったことによる損害や、介護に必要な費用の算定方法について見直しを行いました。具体的には、損害賠償の計算基準をより厳格に適用し、必要と認められる範囲を縮小したことで、賠償額の減額に至りました。

この判断は、医療過誤訴訟において損害額の算定が争点となるケースの一例を示しており、今後の類似事例にも影響を与える可能性があります。

八雲町側の対応と今後の展望

八雲町は、この判決について現在検討中としていますが、賠償額が減額されたことで財政的な負担が軽減される見込みです。一方、原告側は判決内容を精査し、さらなる上訴の可能性も視野に入れているとみられます。

この訴訟は、処方薬の副作用による健康被害と医療機関の責任を問う重要な事例として、医療関係者や法律専門家の間で注目を集めています。患者の安全確保と医師の適切な対応が改めて問われる結果となりました。

今後も、同様の医療過誤が起こらないよう、処方薬のリスク管理や患者への説明責任の徹底が求められるでしょう。北海道における医療訴訟の動向は、地域の医療体制にも影響を与える可能性があります。

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