夫の転倒事故から始まった老々介護の日々
山口県周防大島町に住む国房たま江さん(78歳)は、3年前に夫の澄雄さんが道路で転倒し、頭部に大けがを負った事故から、人生が大きく変わりました。救急搬送された澄雄さんは、脳外科がある病院に2か月、その後リハビリ専門病院に6か月入院し、ようやく自宅での生活が始まりました。
後遺症と向き合う夫婦の日常
事故の後遺症で右半身にマヒが残る澄雄さんですが、自分でトイレに行き食事もできる状態を維持しています。夫婦で話し合う中で、「好きだった旅行に行けなくても後悔はないね」と互いに確認し合う日々を送っています。
しかし、老々介護の現実は厳しいものがあります。たま江さんの体調が度々悪くなる中、夫はデイサービスを利用しているものの、介護の重荷を感じることも少なくありません。「あー、1人でゆっくり旅行したい。時間を気にせず外出したい」という思いが、時折心をよぎります。
心を救ってくれた身近な自然の彩り
そんな気持ちが沈みがちな時、たま江さんを救ってくれたのが、近くの学校にある河津桜でした。春には淡いピンク色の花が咲き誇り、その美しさが心を和ませてくれました。秋になればカエデやイチョウが色づき、季節の移ろいを感じさせてくれます。
自宅の庭にも、しだれ桜やモミジなどが植えられており、もうすぐ芝桜が庭いっぱいに花を咲かせ、甘い香りが漂う時期を迎えます。「遠くに行けなくても、身近に季節を感じる場所があることに感謝です」とたま江さんは語ります。
今を大切に生きる幸福
たま江さんは、いつか一人旅に行くことを夢見つつも、「今は2人での何事もない生活に幸福を感じて過ごしたい」と前向きな姿勢を見せています。昨年の芝桜の写真を見ながら夫と語り合う時間も、かけがえのないものとなっています。
読売新聞「私の日記から」特別編「彩り」募集
読売新聞西部本社では、読者エッセー欄「私の日記から」の特別編として、「彩り」をテーマにした投稿を募集しています。日々の暮らしや人生に彩りをもたらしてくれることについてつづった作品を紹介する企画です。
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