政府が暫定予算案を閣議決定 高市首相の「年度内成立」目標は極めて困難な情勢に
政府は2026年3月27日、2026年度当初予算案が年度内に成立しない場合に備え、「つなぎ」となる暫定予算案を閣議決定しました。一般会計の歳出総額は8.6兆円に上ります。高市早苗首相は当初予算案の年度内成立をなおも強く目指していますが、参議院では野党側がさらなる審議を求めており、実現は極めて困難な情勢が続いています。
暫定予算案の内訳と特徴
今回の暫定予算案の国会提出は11年ぶりの異例の事態となります。30日に成立する見通しです。当初予算案は憲法の規定により4月11日を過ぎれば自然成立するため、暫定予算案には4月1日から11日までの必要経費を計上しました。
内訳を詳しく見ると、年金や生活保護などの社会保障関係費が2.8兆円、地方交付税交付金などが5.1兆円、人件費や予備費などの「その他」が0.7兆円となっています。さらに、4月から開始予定の高校授業料と小学校給食の「無償化」に関する経費も盛り込まれました。
本来、このような新規政策は通常の審議を経て実施することが望ましいものですが、国民生活に支障を生じさせないために必要だとして、暫定予算に計上されました。これは暫定予算の性格上、最低限必要な経費を速やかに可決する目的とはやや異なる措置と言えます。
高市首相の姿勢と政治情勢
高市首相は当初予算案の年度内成立に強いこだわりを見せていますが、参議院では野党側が審議の継続を要求しており、与党内からも沈黙が広がる状況です。政権幹部からは「恐怖政治のようだ」との声も上がっており、党内の緊張が高まっています。
暫定予算案の提出は、政治的な駆け引きが背景にあると見られています。首相は「年度内成立」を譲らない姿勢を示す一方で、野党はさらなる審議時間を求めて対立が深まっています。この状況下で、暫定予算案の早期成立が焦点となっています。
政府関係者によれば、暫定予算案はあくまで緊急措置であり、当初予算案の早期成立が最優先課題だと強調しています。しかし、参議院の審議日程や野党の対応次第では、4月以降も予算問題が政治の中心課題となる可能性が高いです。
今後の見通しと影響
暫定予算案が30日に成立すれば、4月からの行政サービスや社会保障給付などに大きな支障は生じない見込みです。しかし、当初予算案の成立が遅れることで、新規事業や政策の実施に遅れが生じるリスクがあります。
特に、高校授業料と小学校給食の無償化など、国民生活に直結する政策については、暫定予算での対応が限定的となる可能性が指摘されています。政府は国民への影響を最小限に抑えるため、迅速な対応を求められる状況です。
政治的な観点から見ると、高市首相の「年度内成立」へのこだわりが、与野党の対立をさらに深める要因となっています。今後の国会運営や政権運営に大きな影響を与えることは避けられない情勢です。



