内閣官房の会議見直しが本格化 休眠状態の69会議を廃止へ
政府は、内閣官房と内閣府に設置されている会議のうち、69の会議を順次廃止することを正式に決定しました。これは「一定の役割を終えた」と判断されたもので、今後2年間をかけて他の会議についても統廃合を検討していく方針です。官邸主導の政策決定にこだわる歴代政権が、その時々の政策テーマに応じて会議を次々に設置した結果、組織が肥大化してきたことが背景にあります。
休眠会議が職員負担に 効率的な行政運営へ転換
廃止対象となる会議の大半は、すでに休眠状態にあるものです。しかし、担当職員は配置されたままとなっており、別の部署と併任しているケースが多く見られます。会議が存在する以上、職員は関連テーマの動向を定期的に把握する必要があり、時には報告書の作成も求められるため、負担が重い状況が続いていました。効率的な行政運営を実現するためには、必要性が薄れたり政策目的が重複したりしている会議を整理することが不可欠です。
具体例から見る会議の変遷 政権交代の影響も
今回廃止された会議の具体例としては、安倍内閣が2013年に設置した「経済の好循環実現に向けた政労使会議」が挙げられます。企業への賃上げを促す目的で設けられましたが、2015年を最後に開催されていませんでした。その後、岸田内閣は「政労使の意見交換」を新設し、高市内閣もこれを活用しています。また、民主党政権時代に設置された鳥インフルエンザ対策本部も今回ようやく廃止され、対策は別の会議が担うことになりました。
2001年の中央省庁再編以降、首相が政策決定を主導する体制が整備され、内閣官房と内閣府は省庁間の政策調整や首相支援を担ってきました。しかし、時の首相が自らの政策主導をアピールするために会議を設置する傾向も見られ、政権が交代しても廃止されずに残るケースが多発していました。実際、内閣官房では、昨年11月時点で首相や官房長官がトップを務める閣僚会議などが88あり、2015年当時の39から2倍以上に増加しています。
組織肥大化の実態 職員数は20年で2.6倍に
会議の増加に伴い、内閣官房の職員数も著しく膨張しています。20年前は他省庁との併任を含めて1400人でしたが、昨年度は3700人を超えるまでに増加しました。政権の都合で会議が乱立すると、官僚側も振り回され、重要政策の立案に集中できなくなる恐れがあります。組織を整理し、無駄な業務を省くことが、今後の行政運営において極めて重要です。
政府は今回の決定を機に、継続的な会議の見直しを進めていく方針を示しています。政策目的が達成された会議や重複する機能は積極的に統廃合し、官僚の負担軽減と行政効率の向上を図ることが期待されます。これにより、より迅速かつ効果的な政策決定が実現できる環境づくりが進められるでしょう。



