自転車の交通違反に青切符導入、2026年4月から新制度で何が変わるのか
自転車の青切符導入、2026年4月から新制度で何が変わる (27.03.2026)

自転車の交通違反に青切符制度が導入、2026年4月から運用開始

2026年4月1日から、自転車の交通違反に対する交通反則通告制度、いわゆる「青切符」の運用が開始されます。これまで自動車やバイク、電動キックボードなどが対象だった制度が、自転車にも拡大適用されることになります。

青切符導入で何が変わるのか

新制度の導入により、16歳以上の自転車利用者が対象となります。ただし、警察庁は「ルールを守っている利用者には影響がなく、違反者に対する指導取り締まりの基本的なスタンスは変わらない」と説明しています。

重要なポイントは、いわゆる厳罰化ではなく、違反処理の方法が変わる点です。従来、自転車の違反はすべて「赤切符」で処理されていましたが、新制度では比較的軽微な違反については青切符の対象となります。

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警察官が違反を現認した場合、まず指導警告を行うことが基本です。悪質・危険な違反を検挙した場合、従来はすべて赤切符で処理していましたが、今後は軽微な違反については青切符の対象とされます。

青切符とはどのような制度か

青切符は、比較的軽微な道路交通違反者に対する行政手続きで使用される交通反則告知書のことです。告知書が青色であるため「青切符」と呼ばれています。

この制度の特徴は、告知書を受けた違反者が反則金を納付すれば刑事罰が科されない点にあります。反則金を納めない場合、警察が検察に事件を送致し、刑事手続きに移行します。

警察官は青切符を交付する際、身元確認のために運転免許証や他の身分証の提示を求めます。自転車の交通違反で青切符を交付されても、運転免許の点数は付されません。

ただし、例外として自転車で死亡事故を起こした場合や、飲酒運転など悪質・危険な違反をした場合、その人物が自動車を運転することで著しい危険を生じさせるおそれがあると公安委員会が判断すれば、免許停止処分となる可能性があります。

青切符の対象となる違反と例外

自転車の青切符は、比較的軽微な113種類の違反が対象となります。一方、酒気帯び運転や酒酔い運転、あおり運転(妨害運転)といった重い24種類の違反は、引き続き赤切符の対象です。

警察庁の説明によると、青切符の対象となる違反でも、現場で警察官が違反者に指導警告することを基本とし、事故の原因となったり具体的な危険を生じさせたりする悪質で危険な違反に青切符を交付するとしています。

特に注意が必要なのは、以下の三つの違反です。

  • スマートフォンなどを手に持って通話したり、画面を注視したりする「ながら運転」
  • 遮断機が下りた踏切への立ち入り
  • ブレーキがないなどの制動装置不良

これらの違反については「重大な事故につながるおそれが高い」として、警察官が現認すれば原則として青切符の対象となります。ただし、警察庁は「必ず青切符を交付するわけではなく、状況に応じて対応する」と説明しています。

また、警察官の指導警告に従わず違反を続けた場合も青切符の対象となります。具体的には、右側通行(逆走)を続けた場合や、近くに警察官がいるのが分かっているのに信号無視をした場合などが該当します。

新たな義務と安全対策

今回の制度改正では、車が自転車の右側を通過する際に双方に新たな義務が課されます。車と自転車に十分な間隔がない場合、車は安全な速度で進行し、自転車はできる限り道路左端に寄る必要があります。いずれも違反した場合は青切符の対象となります。

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警察庁は、車が取るべき間隔を「少なくとも1メートル程度」、それを確保できない場合の速度を「時速20~30キロ程度」との目安を示しました。

青切符導入の背景と課題

国内の交通事故は全体で減少を続ける中、自転車が絡む事故は年間7万件前後で横ばい状態が続いており、全体に占める割合は増加傾向にあります。

特に懸念されるのは、自転車が歩行者にぶつかる事故の増加です。自転車が最も過失割合が高い第1当事者や第2当事者となった対歩行者の事故は、2025年に3269件と過去20年で最多を記録しました。これは2015年と比較すると3割の増加となります。

この3269件のうち、衝突した場所が歩道や横断歩道であるケースが56.6%を占めており、本来歩行者が守られるべき場所で自転車による被害が発生している実態が明らかになりました。

さらに、歩行者にぶつかった事故の99.9%で自転車側に法令違反があったことが判明しています。自転車乗車中の死亡事故(自転車が第1、第2当事者)においても、法令違反がある割合は約8割で長年推移しています。

取り締まり強化と制度改正の経緯

警察はこれまで、自転車の交通違反に対する取り締まりを強化してきました。従来は現場で警察官による指導警告にとどめていた違反でも、悪質で危険なものは積極的に刑事罰の対象となる「赤切符」で取り締まるように方針を転換しました。

その結果、自転車の違反検挙件数は20年前には年間数百件だったものが、取り締まり強化に伴って増加し始め、2015年には1万件を超えました。その後も増加が続き、2025年には6万163件に達し、この10年間で4倍以上に増加しています。

しかし、赤切符による処理には制裁の実効性が乏しい面がありました。警察庁が2019年に都道府県警に対して行った調査では、赤切符を受けて検察に送致されても起訴されたのは1~2%に過ぎなかったというデータがあります。

このような背景から、警察庁は実効性のある制裁制度として青切符の導入を検討。有識者検討会での議論を経て、道路交通法改正案をまとめ、2024年に改正法が成立しました。

新制度の導入により、自転車利用者の安全意識向上と交通事故減少が期待されています。反則金が納付された場合、その資金は国の歳入となり、国から都道府県や市町村に交通安全対策特別交付金として交付され、信号機や道路標識、歩道橋などの安全施設の整備費用に充てられる仕組みとなっています。