メルツ独首相が就任後初の中国訪問、習近平国家主席と首脳会談
ドイツのメルツ首相は2026年2月25日、中国を公式訪問し、習近平国家主席と首脳会談を行いました。昨年5月に首相に就任したメルツ氏にとって、今回の訪中は初めての機会となります。欧州の安全保障や関税政策を巡り、トランプ米政権との関係が冷え込む中、ドイツは中国との経済関係強化を図る姿勢を明確にしました。
先端技術協力とサプライチェーン安定化を確認
中国外務省の発表によると、両首脳は会談において、人工知能(AI)をはじめとする先端技術分野での協力関係を深めることで合意しました。さらに、グローバルなサプライチェーン(供給網)の安定化に向けた取り組みも確認されています。習近平氏は「中独両国は戦略的な信頼関係を強化し、パートナーシップの継続的な発展を推進しなければならない」と述べ、両国関係の重要性を強調しました。
ドイツはトランプ米政権の関税政策により、主要産業である自動車分野などが大きな影響を受けています。このため、メルツ首相には、最大の貿易相手国である中国との関係を安定させ、経済的基盤を確保したいという思惑があると見られています。今回の訪中には、ドイツの大手企業幹部らで構成される経済代表団も同行し、ビジネス面での連携強化をアピールしました。
ロシアへの影響力行使を要請、貿易課題解決へ対話継続
会談後の記者会見で、メルツ首相は中国との定期的な対話を通じて、貿易面での課題解決を目指す意向を表明しました。さらに、ロシアによるウクライナ侵略の終結に向け、「中国がロシアに対する影響力を行使するよう要請した」ことを明らかにしました。これは、国際社会における中国の役割に期待を寄せるドイツの姿勢を示すものです。
欧米諸国とロシアの対立が続く中、ドイツは中国を重要なパートナーとして位置づけ、外交的・経済的なバランスを模索しています。今回の会談は、ウクライナ情勢やグローバルな経済不安を背景に、中独関係の新たな段階に入ったことを示唆しています。両国は今後も、先端技術や貿易、国際問題における協力を深化させていく見込みです。



