佐賀県がスタートアップ育成や産業デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する部署を公益財団法人に移管した「さが産業ミライ創造ベース」(愛称・RYO-FU BASE)は、企業や起業家に寄り添った支援体制を構築している。2024年の移管から約2年が経過する中、組織トップのCOO(最高執行責任者)を務める秋吉盛司さん(47)に、これまでの取り組みの成果や今後の展望を聞いた。
組織の特徴と移管の経緯
組織の愛称は、佐賀藩が幕末に日本で最初に造った実用蒸気船「凌風丸」にちなんでおり、「自ら進む力を持つ」という意味が込められている。県庁では人事異動が障壁となり、企業に入り込んだ伴走支援が難しいため、財団に移管された。スタッフは15人で、県からの出向者は秋吉さんを含め6人。継続的な支援を可能にするため、生え抜きの職員を増やし、さらに脱県庁を進める必要があると秋吉さんは考えている。
具体的な支援内容
スタートアップに対しては、資金調達の支援やビジネスマッチングなどを実施。今年度は福岡市の「ドーガン」や佐賀銀行グループの「佐銀キャピタル&コンサルティング」などベンチャーキャピタル(VC)と業務委託契約を結び、支援先が出資を受けられるよう事業内容を充実させている。ビジネスプランコンテスト(ビジコン)は10年以上前から実施しており、今年は若い人に気軽に参加してもらうため、初めて30歳以下を対象にしたビジコンを開く計画だ。
これまでの成果
今年度はスタートアップ26社を伴走支援。組織の発足前も含めた実績として、VCからの出資が計2100万円に達したほか、協業先や販路開拓のためのビジネスマッチングが2021~25年の実績で126件に上った。ビジコンから起業につながったケースもあり、例えば佐賀大発スタートアップ「WIDE」はビジコン出身で、指導者を探す部活と指導できる人材のマッチングを手がけており、現在も継続的に支援している。



