兵庫県のプレミアム付きデジタル券「はばタンPay+」、購入時の住所確認に不備
物価高対策として兵庫県が県民向けに発行しているプレミアム付きデジタル券「はばタンPay+」が、県民以外でも購入できる状態になっていたことが明らかになった。県への取材で判明した問題で、スマートフォンアプリからの購入時に住所が自己申告のみで、証明書の提出を求めていなかったことが背景にある。
自己申告のみの住所入力、証明書不要の仕組み
「はばタンPay+」の購入時には、電話番号やメールアドレス、氏名、性別、住所、生年月日などの入力が必要となる。しかし、これらの情報はすべて自己申告に基づいており、住民票や運転免許証などの証明書類の提出は一切求められていない。このため、県内に住民票がなくても、住所欄に兵庫県内の住所を入力すれば、事実上誰でも購入が可能な状態だった。
さらに、同じ人物が複数の電話番号と住所を偽って入力することで、1人あたりの購入限度額を超えて申し込むことも技術的には可能だったという。県の担当者は「申込時に県内在住者かを問うチェック項目があり、同意を取っているので、県内在住で間違いないという認識」と説明している。
一般枠と子育て応援枠の違い、他自治体との比較
「はばタンPay+」には一般枠と子育て応援枠が設けられている。一般枠では前述のように証明書不要の自己申告方式を採用している一方、子育て応援枠では世帯単位での申し込みとなるため、マイナンバーカードなどの証明書が必要とされている。この違いが制度の不備を際立たせている。
他自治体との比較では、さいたま市が発行するプレミアム付きデジタル商品券では、スマホアプリからの申し込み時に市内在住者かを確認するため、マイナンバーカードでの認証を必須としている。兵庫県の方式とは対照的だ。
県の対応と今後の課題
2023年から展開されている「はばタンPay+」は、第5弾まで実施され、一般枠では累計約400万人からの申し込みがあった。元の購入金額を含めた発行額は、第5弾の予定分も含め約1千億円に上り、上乗せされるプレミアム分は国の交付金で賄われている。
22日の定例会見で、斎藤元彦知事は「チェック項目で県内在住とチェックしていただいているので、適切に利用されていると考えている」と述べ、現行制度に問題はないとの認識を示した。しかし、自己申告のみに依存するシステムでは、不正利用のリスクが常につきまとう。
この問題は、デジタル化が進む行政サービスにおいて、本人確認の在り方や公平性の確保が重要な課題であることを浮き彫りにしている。県民以外による購入が実際にあったかどうかは不明だが、制度設計の見直しを求める声も上がりそうだ。



